仕事内容・働き方

地域包括支援センターとは?役割や職種別の業務内容を紹介!

仕事内容介護職・ヘルパー8 months ago

「地域包括支援センターとは何をする施設?」そのように思っている方もいるでしょう。地域包括支援センターとは、地域の高齢者に対し介護予防支援や包括的支援事業を提供する公的施設です。この記事では地域包括支援センターの役割や、職種別の業務内容について紹介しています。地域包括支援センターで働くのに向いている人の特徴にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

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地域包括支援センターとは?

地域包括支援センターとは、高齢者の介護福祉・医療に関する相談受付や支援機関への橋渡しを行っている公共施設です。介護保険法にて定義されている施設で、保健師や社会福祉士、ケアマネジャーといった介護福祉・医療分野の専門家が勤務しています。
地域包括支援センターは、「地域包括ケアシステム」の中核機関です。地域包括ケアシステムとは、高齢者が介護を必要とする状態になっても、最期まで住み慣れた地域で過ごせるよう、地域全体で支援やサービス提供を行う仕組みをいいます。

65歳以上の高齢者が利用できる施設

地域包括支援センターは、センターの対象地域に住む65歳以上の高齢者を利用対象としています。利用対象者に関することであれば、相談は本人だけでなく家族や近隣住民もすることが可能です。高齢者に関わる相談を広く受け付けており、要支援・要介護認定の有無は問いません。相談は無料で行えます。
本人と家族が離れて暮らしている場合でも、家族からの相談を受けられますが、本人が住んでいる地域のセンターへ相談が必要です。

市町村に1ヶ所以上設置されている

地域包括支援センターは公共施設で、全国の市町村に設置されています。 厚生労働省「地域包括支援センターの設置状況」によると、2022年4月末時点で地域包括支援センターは全国に5,404ヶ所あります。 さらに、地域包括支援センターの支店的な役割を持つブランチやサブセンターといった施設を合わせると、7,409ヶ所にのぼります。

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地域包括支援センターの役割

地域包括支援センターは、名称のとおり地域住民を包括的に支援する役割があります。ここでは厚生労働省「地域包括支援センターについて」にて紹介されている地域包括支援センターの役割と業務を、より詳しく紹介します。

介護予防ケアマネジメント

介護予防ケアマネジメントは、健康な高齢者が介護の必要な状態にならないよう予防したり、介護度が上がらないようにサポートしたりする業務です。介護予防ケアプランの作成や身体機能を維持する運動やレクリエーションを行う介護予防教室の開催、介護予防に関する情報発信・情報提供も行われています。

総合相談支援

総合相談支援は高齢者本人や家族から直接相談を受け、高齢者が住み慣れた地域で快適に暮らせるよう、適切なサービスの紹介や関係機関への連携を行う業務です。まず、電話やセンター窓口で相談員が相談を受け付けます。相談内容に応じて地域・個人宅へ実態把握のために訪問したり、介護サービスの利用開始・変更を支援したりするのが主な役割です。

権利擁護

権利擁護は、高齢者の権利を守るための業務です。具体的には詐欺や悪徳商法、虐待に対する対応や防止に関する活動を行っています。認知症や加齢により正常な判断や手続きができない高齢者に対し、成年後見制度の利用推進活動を行うのも、権利擁護のために重要な役割です。

包括的・継続的ケアマネジメント支援

包括的・継続的ケアマネジメント支援は、高齢者にとって生活しやすい地域にするために、基盤を固める活動のことです。高齢者に直接働きかける支援ではなく、地域のケアマネジャー(介護支援専門員)への支援を指し、地域包括支援センターに勤める主任ケアマネジャーが主体となって活動が行われます。ケアマネジャー向けの研修会・交流会の開催や、ケアマネジャーへの個別指導、相談対応などが行われています。

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地域包括支援センターに寄せられる相談事例

地域包括支援センターの代表的な業務は、相談業務です。窓口で実際に相談されている内容にはどのようなものがあるのか紹介します。

相談事例1

Aさんは、10年前に夫に先立たれてから自宅で1人暮らしをしていた。
風邪をこじらせて肺炎で入院したことを機に、退院後も体力が戻らず、今までどおり家事ができなくなってしまった。息子と娘2人はどちらとも結婚し、幼い子どもに手がかかる状態のため頼ることが難しく、地域包括支援センターに相談。
体力維持のためデイサービスの利用を開始し、訪問介護による生活援助を受けることになった。

相談事例2

BさんとCさんは夫婦で生活している。2年前に脳梗塞を発症し、半身マヒが残る妻Cさんの介護を、夫のBさんが日常的に行っていた。
BさんがCさんの入浴介助を行っていた際、Cさんを持ち上げた状態でBさんが転倒。Cさんにケガはなかったものの、Bさんは腰の打撲と足の骨折で緊急入院となってしまった。Bさんの病院に駆けつけた遠方に住む娘が、地域包括支援センターに相談し、Cさんは一旦、特別養護老人ホームに入居することになった。
夫婦ともに住み慣れた自宅で過ごしたいという希望があったため、Bさんが退院してからはCさんに訪問介護とデイサービス、ショートステイのサービスの提供を開始。Bさんは引き続きCさんと自宅で過ごしているが、介護による心身の負担が以前より軽くなった。

相談事例3

地方で1人暮らしをしているDさんは「1人暮らしで何かあったら大変だ」と息子夫婦に心配され、都市部にある息子夫婦の家へ引っ越して一緒に暮らすことにした。
以前はゲートボールの集まりに頻繁に参加して友人と楽しく過ごしていたが、引っ越し先に知人はおらず、毎日家でテレビを見て1日を過ごすだけの生活になってしまった。息子夫婦もDさんに以前のような覇気がない様子を見て、心配して地域包括支援センターに相談。
地域包括支援センターからはゲートボールやレクリエーションの集まりの案内や、町内会の老人サロンの紹介を受けた。Dさんは紹介を受けた集まりに参加し始めてから友人ができ、再びゲートボールも始められた。今は毎日のように外出して楽しく過ごしている。

相談支援4

Eさんは、定年退職してから3年後に妻に先立たれ、そこから1人暮らしをしていた。
1月のある日、Eさん宅の隣に住んでいるFさんが、町内をふらふらと歩いているEさんを見かけた。いつものEさんと様子が違ったためFさんが声をかけると、Eさんは「自分の家がわからない」と言う。服装もパジャマとサンダルで、寒さでガタガタと震えていたため、FさんはEさんを急いで家まで送った。
FさんはEさんの様子から、認知症を患っているのではないかと思い、地域包括支援センターへ相談。相談員が訪問し、遠方に住む娘夫婦にも連絡。娘夫婦はEさんを自分たちの近くで看たいと考え、自分の住む地域の地域包括支援センターへ相談。介護申請を行い、Eさんは娘夫婦が住む地域のグループホームへ入所が決まった。

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地域包括支援センターの職種別業務内容

地域包括支援センターには、下記の職種が常勤しています。職種別にどのような業務内容なのか、みていきましょう。

ケアマネジャー

ケアマネジャーは、相談業務やケアプラン作成などを中心に行っています。相談を受けた高齢者の現状把握のため利用者宅を訪問したり、主任ケアマネジャーの補佐を行ったりすることもあるようです。

主任ケアマネジャー

主任ケアマネジャーの業務は、対象地域とセンター内のケアマネジャーの支援・統括です。包括的・継続的ケアマネジメント支援の中心者となって、ケアプランの作成や支援困難事例への助言、ケアマネジャーの育成などを行います。

社会福祉士

社会福祉士は相談窓口で相談者から直接話を聞き、関係各所へ連携することを主な仕事としています。社会福祉分野の専門職として、知識やスキルを活かして高齢者を適切なサービスへ連携するのが社会福祉士の役割です。

看護師・保健師

看護師や保健師は、医療的な観点から介護支援や介護予防マネジメントを行っています。介護予防教室でのレクチャーや高齢者の家庭訪問などを行っており、医療機関のように医療行為を行うことはほぼありません。

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地域包括支援センターでの勤務に向いている人は?

地域包括支援センターでの勤務には、地域貢献をしたい人や高齢者の支援をしたい人が向いているでしょう。前述のとおり、地域包括支援センターは「地域包括ケアシステム」の中核を担っています。

地域包括ケアシステムの目的は高齢者の生活を支えるだけでなく、地域全体の活性化も含まれます。病院や介護施設より大きな枠組みで、高齢者支援や地域貢献を行いたい人は、地域包括支援センターでの勤務を検討してみても良いかもしれません。

また、地域包括支援センターは夜勤や当直、オンコールなしの働き方も可能なため、ワークライフバランスを重視している人にもおすすめです。休みについても土日休みの施設が多くなっています。ただし、施設によっては相談者の利便性向上のために、土日も開所している地域包括支援センターもありますので、勤務日については個別に確認しましょう。

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地域包括支援センターは地域の高齢者や介護関係者を支援している

  • 地域包括支援センターは地域包括ケアシステムの中核を担う公共施設
  • 地域包括支援センターでは65歳以上の高齢者に関する介護福祉の相談を受け付けている
  • 地域包括支援センターでは高齢者の権利擁護や介護予防ケアも行っている
  • 地域包括支援センターにはケアマネジャーや社会福祉士、保健師などが勤務している

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