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職業指導員の仕事はきつい?仕事内容や向いている人を解説!
a year ago

「職業指導員の仕事はきつい?」
「職業指導員になるには資格が必要?」
このような疑問を持つ方も多いでしょう。職業指導員は、障がいのある方の就労や生産活動をサポートする職業です。この記事では、職業指導員の仕事内容や勤務先、資格について解説しています。1日のスケジュールや職業指導員に向いている人の特徴についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
職業指導員とは
職業指導員とは、障がいがある方に対し職業訓練や生産活動を通して、働くための知識やスキルの指導をしたり、就業支援をしたりする職業です。職業指導員が指導する職業訓練は食品加工や農作業、木工・裁縫などの生産活動や梱包・仕分け作業、データ入力、清掃など多岐にわたります。職業指導員はただ指導を行うだけでなく、障がいのある方の能力・適性や心身状態、本人の希望などを考慮し、一人ひとりに合った適切な指導・支援を行うことが必要です。
職業指導員と生活支援員の違いは?
生活支援員は、障がいのある方の生活をサポートする職業です。食事・排泄介助といった身体介助や、日常動作の向上のための指導・支援を行います。事業所によって職業訓練を行うこともありますが、身体介護の技術が求められるでしょう。
職業指導員が行うのは生活に関する指導ではなく、就労のための指導がメインです。基本的に身体介護を行う場面はないですが、事業所によっては生活指導員と兼務することもあります。
職業指導員の仕事内容
職業指導員の仕事内容は勤務する事業所によって多少異なりますが、利用者へ就労に必要な知識やスキルを指導するという点はどの事業所でも変わりありません。利用者と一緒に作業に入って手本を見せたり指導や助言を行ったりするのはもちろん、職業訓練の計画作成・管理や社会人としてのマナー指導も行います。
施設外での就職をサポートする事業所であれば、就職に向けての支援が主な仕事です。履歴書作成支援や面接同行のほか、利用者が就職した後の定着支援や、就職先・実習先の開拓も職業指導員が行います。支援する利用者の障がい・疾患の程度によっては、食事介助や排泄介助などの生活支援を行うこともあるようです。
職業指導員が勤務する施設
職業指導員は主に障がいがある方の就労をサポートする就労支援事業所に勤務しています。事業所によって特徴や仕事内容が異なりますので、確認しておきましょう。
就労移行支援
就労移行支援は、障がいがある方のうち、本人が就労を希望している場合に、一般企業への就職を目標に就職支援を行う事業所です。利用者に合う就職先を提案し、応募書類の作成支援や面接対策を行って就職までをサポートします。利用者が就職できた後も相談業務や職場訪問を行い、定着支援を行うのも就労支援移行の役目です。また、障がいのある方の働く場を広げるために職員が企業へ営業に出向き、職場開拓も行っています。
就労継続支援A型
就労継続支援は、障がいや持病により一般企業での就業が難しい方へ職業訓練を行う事業所を指します。A型では利用者と事業所が直接雇用契約を結ぶため、双方が雇用関係となるのが大きな特徴です。利用者には働く場が提供されるとともに、最低賃金以上の給与が保障されます。職業指導員は利用者を雇用する事業所側の職員となるため、利用者の上司として勤怠管理や作業管理などを求められることが多いようです。
就労継続支援B型
就労継続支援B型は、A型と同様に障がいや持病で一般企業への就業が難しい方が対象の事業所です。B型は利用者は事業所と雇用契約を結ばないのが特徴で、利用者は体調や特性に合わせて柔軟に働けるというメリットがあります。ただし、作業報酬は給与ではなく「工賃」扱いとなるため、A型と違って最低賃金は保障されません。B型のほうが障がいや病気が重い利用者が多いため、職業指導員は生活支援員と兼務して身体介助を求められることもあります。
児童福祉事業所
職業指導員の中には、障害者施設だけでなく児童福祉事業所に勤める人もいます。児童福祉事業所の職業指導員は、児童が適性や能力に応じて職業選択できるよう助言・情報提供を行ったり、実習指導や講習を行ったりしています。退所した児童の就労サポートや自立支援を行うのも児童福祉事業所の業務です。
職業指導員の1日のスケジュール
職業指導員はどのようなスケジュールで仕事を進めているのでしょうか。ここでは就業継続支援(A型・B型)でのスケジュールを例として紹介します。
8:00 | 出勤、スタッフ間朝礼 | 1日の流れや連絡事項を職員間で共有、利用者からの連絡にも対応 |
8:30 | 利用者の送迎 | 事業所の車で利用者を迎えに行く |
9:00 | 利用者との朝礼 | 利用者の体調チェック、今日の作業内容の確認と作業準備を行う |
9:15 | 午前の作業 | 途中短い休憩を挟みながら、作業する利用者のサポートや指導を行う |
12:00 | 昼食休憩 | 利用者の食事介助が必要な際は休憩時間をずらすが、利用者とコミュニケーションを取りながら一緒に昼食をとることも |
13:00 | 午後の作業 | 昼食を挟んで午前と違う作業に取り組むことも |
15:30 | 利用者との終礼 | 1日の作業の振り返りや作業場の清掃を行い、帰り支度をサポートする |
16:00 | 利用者の送迎 | 事業所の車で利用者を送る |
16:30 | 日報作成、事務作業 | 日報や必要書類の作成などの事務作業を行う |
17:30 | スタッフ間終礼、退勤 | 翌日の流れの確認や情報共有を行い、業務終了 |
職業指導員になるには資格は必要?
ここでは、職業指導員として働く際に資格が必要になるか解説します。職業指導員として働きたい方はぜひ参考にしてください。
資格要件がないため無資格でも働ける
職業指導員として働くのに必須の資格はないため、無資格・未経験から始められる仕事です。ただし、農作業であれば農業経験、データ入力であればパソコンスキル、といったように行う作業に応じたスキルや経験を求められることもあります。
職業指導員になるのに持っておくと良い資格
職業指導員は無資格でも働けますが、事業所によっては介護系や福祉系の資格が応募要件になっていることもあります。障がいのある方と接することになるため、障がいに対する知識があるほうが良いとされるためです。特に、職業指導員が生活支援員を兼任することがある事業所であれば、無資格での身体介護は禁止されているため、介護系の資格が必須とされることも。具体的にどのような資格を持っておくと良いのか、以下で詳しく紹介します。
社会福祉主事任用資格
社会福祉主事任用資格は、福祉事務所など行政機関の福祉職として働く際に必要な資格で、社会福祉に対する知識証明として用いられることもあります。都道府県等が主催する講習会を受講するか、指定養成機関の修了などのルートで取得可能です。多くの自治体では就労継続支援の管理者要件とされていますので、取得することで将来的なキャリアアップも望めるでしょう。
社会福祉士・精神保健福祉士
社会福祉士と精神保健福祉士は、両方とも福祉系の国家資格となっています。社会福祉士は、身体・精神の障がいがある人や日常生活を送るのが困難な人から相談を受け、社会福祉の面から支援を行うための知識やスキルを有する専門家です。精神保健福祉士は精神障がいや精神疾患がある人に対して、就労や生活支援・自立支援を行うための知識とスキルを有する専門家を指します。
福祉系の大学で指定科目を修了するルートや相談援助業務を経験するルート、養成施設を修了するルートなどで受験資格を得られます。最終的には国家試験の合格が必要です。社会福祉系の中でも取得が難しい資格とされており、社会福祉主事任用資格や児童指導員任用資格としての効力も持っています。また、こちらの資格も、多くの自治体において就労継続支援の管理者要件です。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は名称のとおり、介護職として初めて働く方向けの資格です。130時間のカリキュラムを修了し、修了試験に合格することで取得できます。大半のカリキュラムをオンライン受講やe-ラーニングで行っているスクールもあるため、比較的受講のハードルが低いでしょう。無資格・未経験からの方におすすめで、特に身体介護を必要とする事業所で働く場合には持っておきたい資格です。
介護福祉士実務者研修・介護福祉士
介護福祉士実務者研修は介護職員初任者研修の上位資格で、介護福祉士の受験要件となる資格です。介護職員初任者研修を修了していなくても受講できますが、修了している方であれば、全カリキュラム450時間中130時間分が受講免除になります。
介護福祉士は、介護職のエキスパートとなれる国家資格です。受験資格を得るには介護福祉士実務者研修修了のほかに、介護業界における実務経験が3年以上必要となります。
児童指導員任用資格
児童指導員任用資格は、児童福祉事務所で働く場合に必要な資格です。4年制大学で心理学、教育学などの指定科目を履修して卒業するか、児童福祉事業に指定年数以上従事するなどして取得できます。
職業指導員の給料は?
厚生労働省「令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」によると、2022年度に福祉・介護職員処遇改善加算の届出をしている施設・事業所における職業指導員の平均給与額は、2022年12月時点で、常勤で27万7,250円、非常勤で10万6,790円でした。
同調査において、職業指導員の主な勤務先である事業所別の平均給与額は、2022年12月時点で以下のとおりです。
常勤 | 28万9,900円 | 25万8,210円 | 27万9,990円 |
非常勤 | 13万10円 | 10万1,360円 | 10万6,140円 |
引用:厚生労働省「令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」より一部加工して引用
なお、事業所別の平均給与額に関しては、その事業所で働く職員全体の平均額を示しており、職業指導員に限った額ではありません。
職業指導員に向いている人は?
職業指導員には、どのような人が向いているのでしょうか。ここでは職業指導員に向いている人の特徴を紹介します。
人の役に立つやりがいを感じて仕事をしたい人
職業指導員の仕事は、利用者に直接指導や助言をすることです。仕事の中で、自分の指導を受けて利用者が収入を得られたり、就職できたりという姿を目にできます。そのため、人の役に立つ仕事や、やりがいを感じながら仕事をしたい人は職業指導員に向いているでしょう。利用者のできる作業が増えたときや就労が決定したとき、就職先で生き生きと働いている姿を見た時など、利用者とともに喜べる機会が多いのも特徴です。
物事を柔軟に考えるのが得意な人
就労支援事業所を利用する方の中には、体調を崩しやすい方や作業を覚えるのが苦手な方、作業をゆっくり進める方などさまざまな特徴を持った方がいます。そのため、日によって予定した進捗どおりに作業が進まないことも珍しくありません。急に予定を変える必要があっても柔軟に対応できる人が、職業指導員に向いているでしょう。利用者の能力や特性をよく理解して、利用者の担当する作業の変更を提案したり、作業数を増減したりといった細やかな調整が得意な人も職業指導員に向いています。
傾聴力とかみ砕いて伝える力がある人
知的障がいや精神障がいのある方の中には、自分の考えを伝えるのが苦手な方や、話を理解するのが苦手な方がいます。そのような方々とのコミュニケーションにおいては、健常者に対するコミュニケーションと同じようにきちんと話を伝えた・聞いたと思っていても実は対応が不十分ということも。利用者とのコミュニケーションが不十分だと、利用者が作業に対するストレスや悩みを抱えてしまったり、理解できていない作業において失敗してしまったりということも起こり得ます。
職業指導員は、利用者の話をじっくり聞いたり、話をしたがらない利用者に対しては話をしてもらえるよう聞き出したりという姿勢が大切です。こちらから何か伝えるときも、よりかみ砕いて分かりやすく伝えるようにしたり、利用者が理解しているかを読み取ったりという能力が求められるでしょう。このように、傾聴力とかみ砕いて伝える力を兼ね備えている人が職業指導員に向いているといえます。
職業指導員は障害のある方の就労や生産活動を支える
- 職業指導員は就業支援事業所で職業訓練や指導、就労支援を行う職業
- 職業指導員は、身体介護を行う生活支援員と兼務することもある
- 職業指導員は無資格・未経験でもなれるが、介護や福祉の資格があると有利
- 職業指導員は考え方が柔軟な人や傾聴力のある人が向いている