仕事内容・働き方

看護師の三交代勤務とは?シフト例や二交代制との違いを解説!

正看護師5 months ago

「看護師の三交代制はどのような働き方なの?」
「三交代制と二交代制はどっちがきつい?」
このような疑問を持つ方もいるでしょう。看護師の三交代制とは、医療機関で夜勤の必要がある場合にシフトを3つに分けた勤務形態のことです。この記事では三交代制のシフト例やスケジュール、二交代制との違いなどを解説しています。三交代制に関するよくある質問にもお答えしていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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看護師の勤務形態である三交代制とは?

看護師の三交代制は、24時間を3つに分けて日勤・準夜勤・深夜勤で勤務することです。一般的に、3勤務とも同じ勤務時間(約8時間)で勤務しています。

二交代制とは

二交代制は、24時間を2つに分けて日勤・夜勤で勤務することです。日勤の勤務時間は三交代制とほぼ変わりませんが、夜勤は夕方から翌日の朝まで勤務します。労働基準法では、労働時間が8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を取ることとされており、約16時間勤務する夜勤は仮眠を含む休憩を2~3時間取ることが推奨されています。休憩は夕食と仮眠に1時間ずつというように、時間を分けて取ることが多いようです。

看護師の三交代制と二交代制はどちらが多い?

日本看護協会「2022年病院看護・助産実態調査報告書」によると、2022年時点で夜勤をしている看護師のうち、三交代制で働いている看護師は20.7%、二交代制で働いている看護師は74.8%でした。二交代制で働いている看護師は、三交代制で働いている看護師の2倍以上おり、三交代制で働く看護師は少数派になりつつあるようです。

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夜勤のある看護師のシフト例

三交代制や二交代制で働いている看護師は、日勤と夜勤がどのように組み合わさったシフトで働いているのでしょうか。1か月(30日間)のシフト例を紹介します。

三交代制のシフト例

三交代制は、日勤・準夜勤・夜勤の組み合わさったシフトになっています。シフト例は以下のとおりです。

日勤 日勤 日勤 準夜 深夜 休み
(明け)
日勤
日勤 休み 日勤 日勤 日勤 準夜 深夜
休み
(明け)
休み 日勤 日勤 日勤 休み 日勤
日勤 日勤 準夜 深夜 休み
(明け)
日勤 日勤
日勤 準夜

上記以外にも、日勤の翌日に深夜勤、準夜勤、休みとなるパターンなど、病院によってシフトのルールが異なります。

二交代制のシフト例

二交代制は、日勤と夜勤の組み合わさったシフトになっています。シフト例は以下のとおりです。

日勤 日勤 日勤 夜勤 休み
(明け)
日勤 日勤
日勤 夜勤 休み
(明け)
休み 日勤 日勤 日勤
日勤 休み 日勤 日勤 日勤 夜勤 休み
(明け)
休み 日勤 日勤 日勤 休み 日勤 日勤
日勤 夜勤

二交代制では、三交代制のように夜勤が連続することはなく、夜勤の翌日は必ず「明け」といって休みになります。多くの病院で、似た勤務サイクルになるようです。

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夜勤のある看護師のシフト別スケジュール

三交代制や二交代制の看護師は、勤務時間中はどのようなスケジュールで働いているのでしょうか。勤務形態ごとのスケジュールを見てみましょう。

三交代制の看護師のスケジュール

三交代制の日勤・準夜勤・夜勤のスケジュールは以下のようになっています。

                                                                                                                                                                                                                                                                                               
時刻スケジュール
日勤準夜勤夜勤
8:00--下膳、口腔ケア、与薬
8:30出勤、申し送り-申し送り
9:00点滴交換、バイタル測定-カルテ記載、退勤
10:00入退院患者対応--
12:00昼食配膳、食事介助--
12:45下膳、口腔ケア、与薬--
13:00休憩--
14:00ラウンド、IC同席--
15:00清拭、点滴交換--
16:30申し送り-
17:00カルテ記載、退勤ラウンド、IC同席-
18:00-夕食配膳、食事介助-
18:45-下膳、口腔ケア、与薬-
19:30-ラウンド、バイタル測定-
20:00-休憩-
20:30-就寝準備、トイレ介助-
21:00-消灯-
22:00-ラウンド、点滴交換-
23:00-カルテ記載、書類整理-
0:00-申し送り
0:30-退勤ラウンド
2:00--ラウンド、体位交換
3:00--休憩
5:00--ラウンド、カルテ記載
7:00--起床、おむつ交換
7:30--朝食配膳、食事介助
8:00--下膳、口腔ケア、与薬

日勤と準夜勤、準夜勤と深夜勤、深夜勤と日勤というように、それぞれのシフトは30分ずつ重なるようになっているのが一般的です。シフトの重なっている時間で、申し送りを行っています。また、どの勤務でも休憩時間は1時間ずつです。

二交代制の看護師のスケジュール

二交代制の日勤と夜勤のスケジュールは、以下のようになっています。

                                                                                                                                                                                                           
時刻スケジュール
日勤夜勤
8:00-朝食下膳、口腔ケア、与薬
8:30申し送り
9:00ラウンド、点滴交換、バイタル測定退勤
10:00入退院患者対応-
12:00昼食配膳、食事介助-
12:45下膳、口腔ケア、与薬-
13:00休憩-
14:00ラウンド、IC同席-
15:00清拭、点滴交換-
16:30申し送り
17:00カルテ記載、退勤ラウンド、点滴交換
18:00-夕食配膳、食事介助
19:00-下膳、口腔ケア、与薬
20:00-ラウンド、バイタル測定
20:30-就寝準備、トイレ介助
21:00-消灯
22:00-休憩
23:00-ラウンド、点滴交換
0:00-カルテ記載、書類整理
2:00-仮眠休憩
4:00-ラウンド、体位交換
7:00-起床、おむつ交換、バイタル測定
7:30-朝食配膳、食事介助
8:00-下膳、口腔ケア、与薬

二交代制も三交代制と同様に、シフトの重なる時間が30分ほどあり、そこで申し送りを行います。夜勤では休憩時間が1時間ずつ2回あり、後半の休憩が仮眠時間になっていることが一般的です。

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看護師の三交代制のメリット

看護師は三交代制で働くことで、以下のようなメリットが得られます。

  • 夜勤帯の1回の勤務時間が二交代制と比べて短い
  • 昼夜逆転が起きにくい

二交代制の夜勤は16時間近く勤務しますが、三交代制は準夜勤、深夜勤ともに8時間勤務となっています。深夜に長時間勤務をしなくて済むため、身体への負担も比較的少なくなりそうです。勤務時間が長くなると集中力を保つのが難しいという方にとっては、二交代制より三交代制の方が向いているでしょう。
また、夜勤シフトのうち、半分程度は準夜勤になります。準夜勤が終わるのは深夜0時前後となるため、帰宅してすぐ就寝すれば午前中のうちに起床できるでしょう。夜勤のたびに朝帰りになってしまう二交代制とは違い、昼夜逆転が起きにくいため生活リズムも保ちやすいと言えそうです。

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看護師の三交代制のデメリット

三交代制には、デメリットが存在するのも事実です。具体的には以下のようなことが挙げられます。

  • 勤務の間隔が短くなることもある
  • 準夜勤の帰りに公共交通機関が使えないこともある

労働基準法では、1日の勤務時間は8時間と決められており、それを超えて16時間近く勤務する二交代制は「2日間続けて勤務している」と見なされます。夜勤明けが一日休みになることも、長時間勤務をした分、労働者に十分な休養を取らせるようにという決まりに基づくものです。
そのため、8時間勤務でシフトが組まれている三交代制は、丸一日休みを挟まずにシフトを連続させることが法律上可能となっています。病院によっては、実際に準夜勤直後の日勤や日勤直後の深夜勤というシフトになることもあるようです。退勤して8時間後にまた出勤となると、精神的にも身体的にも十分休めず、苦痛に感じることもあるでしょう。

また、前述のとおり、準夜勤の退勤は深夜0時過ぎになることがほとんどです。電車やバスなど公共交通機関の多くはすでに最終便の時刻を過ぎており、公共交通機関での帰宅は難しくなります。退勤用にタクシーチケットが支給されることもありますが、そのような補助がないことも。徒歩や自家用車、自転車で通勤できる距離に職場がない場合は、退勤手段を考慮する必要があるでしょう。

夜勤のある看護師の求人で見るべきポイント

夜勤のシフトが含まれる看護師の求人を探す場合、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。見るべきポイントを紹介します。

  • 勤務人数と受け持ち患者の数
  • 勤務体制
  • シフトのパターンとひと月の夜勤回数
  • 三交代制の場合、準夜勤時の交通手段

勤務人数と受け持ち患者の数は、急性期・慢性期といった病院の特徴により異なります。夜勤のときは看護師の人数が少なくなるので、看護師歴が浅い方や夜勤に苦手意識がある方は勤務人数に注意が必要です。
三交代制か二交代制かといった勤務体制は、病院によって「日勤のほうが夜勤より長い」というような変則シフトを通常のシフトの間に盛り込む場合もあります。また、前述のとおり、準夜勤の直後に日勤が入るなど勤務間隔が短いシフトの組み方をする病院も。体力的な負担を想定するためにも、勤務体制やパターンも確認しておきましょう。
三交代制の場合は、通勤の交通手段の確認も忘れずに。公共交通機関を使用する場合は、準夜勤時の退勤に支障がないか、最終便の確認やタクシー代の補助についてチェックしておいたほうが良さそうです。

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看護師の三交代制・二交代制に関するよくある質問

ここでは、看護師の三交代制と二交代制に関するよくある質問にお答えします。勤務体制について疑問がある方は、参考にしてください。

三交代制と二交代制ではどっちがきつい?

三交代制と二交代制のどちらがきついかは、個人次第と言えるでしょう。夜勤の勤務時間が長く、夜勤のたびに朝帰りになってしまう二交代制のほうがきついという方もいれば、仕事の感覚が短くなってしまう三交代制のほうがきついという方もいます。両方とも「慣れてしまえば平気」という意見もあり、勤務を続ける中で自分に合った生活リズムをつかむのが良さそうです。

三交代制と二交代制のひと月の夜勤回数は?

日本医療労働組合連合会「2022年度夜勤実態調査結果」によると、2022年時点の夜勤回数の平均は、三交代制で7.8日、二交代制4.14日でした。三交代制の平均は準夜勤と深夜勤を合わせた日数となっており、一般的には準夜勤のほうが深夜勤より1~2日多くなるようです。

三交代制と二交代制では給料は変わる?

日本看護協会「2020年病院看護実態調査報告書」によると、2020年時点の平日1日における夜勤手当の平均額は、三交代制の準夜勤で4,154円、深夜勤で5,122円、二交代制の夜勤で11,286円でした。
前述の夜勤回数のデータを参考に、ひと月のあたりの夜勤手当を算出すると、二交代制では夜勤5回で56,430円、三交代制では準夜勤4回、深夜勤3回で31,982円になります。

二交代制の夜勤のほうが1回の勤務時間が長いことや、夜勤手当のうち22時~6時頃までを深夜賃金として手当を引き上げている病院が多いことから、二交代制のほうが深夜手当が多いようです。とはいえ、夜勤手当のみで給料が変わるわけではないため、参考程度に考えておくほうが良いでしょう。

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看護師の三交代制勤務は日勤・準夜勤・夜勤で行っている

  • 看護師の三交代制は、どのシフトも8時間勤務となっていることが多い
  • 三交代制では夜勤の勤務時間が二交代制より短く、昼夜逆転が起きにくい
  • 三交代制では準夜勤の直後に日勤を求められるなど、勤務間隔が短いシフトもある
  • 看護師の求人を見るときは、変則シフトや三交代制の場合の通勤手段を確認した方がよい

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