仕事内容・働き方

ケースワーカーとはどんな仕事?勤務地や資格をわかりやすく解説

仕事内容9 months ago

「ケースワーカーとはどんな仕事をする人?」
「ケースワーカーはどこにいるの?」
そのような疑問を持つ人もいるでしょう。ケースワーカーとは、病院や福祉事務所などの公的機関で相談支援を行う職種です。この記事では、ケースワーカーの仕事内容やなる方法、必要な資格について解説しています。向いている人の特徴や年収についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

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ケースワーカーとは

ケースワーカーとは、病気や高齢、貧困などで身体・精神・社会上の問題を抱えている方の相談を受け付け、社会福祉の面から適切な支援を行う職種です。相談に来た依頼者と面談し、必要な支援を把握して適切な支援サービスとの連携や、支援開始後のモニタリングを行っています。ケースワーカーは公的機関に勤める相談員を指しており、地方公務員であるという特徴もあります。

ケースワーカーとソーシャルワーカーの違いは?

ソーシャルワーカーは、「医療や介護、社会福祉に関する施設で相談業務を行う相談員」という意味で、ケースワーカーはソーシャルワーカーに含まれます。
ケースワーカーは福祉事務所、児童相談所といった公的機関や、国公立病院で働いていますが、ソーシャルワーカーは加えて、民間の医療機関や福祉施設でも多く働いています。

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ケースワーカーの仕事内容

ケースワーカーの仕事内容は、大きく分けて相談業務と支援計画作成・手続き、モニタリングです。面接とモニタリングは別の担当になることが一般的となっています。

相談業務

ケースワーカーが相談者と接触して初めて行うのが、相談業務です。生活に困っている依頼者の相談にのり、困っていることや相談事を聞いて支援が必要か判断します。ケースワーカーが対応する相談は、生活保護の受給や就労、高齢者の生活、子どもの不登校などさまざまです。

支援計画の作成・支援手続き

ケースワーカーは面談から得られた情報を基に、必要な支援を決定します。支援内容に応じて介護施設や医療機関といった関係機関と連携し、サービスの利用手続きを行うのもケースワーカーの仕事です。公的サービスには利用条件があるため、ケースワーカーは申請者の収入・資産・家庭環境の調査なども行い、相談者がサービスを利用できるか確認もしています。

定期的なモニタリング

生活保護を受給している方の自宅にケースワーカーは定期的に訪問し、生活状態を把握したり自立に向けた助言をしたりしています。ほかに必要な支援はないかを探るだけでなく、高齢者や持病のある受給者に対して体調・安否確認を行う意味合いもあるため、モニタリングは特に重要な仕事です。

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ケースワーカーはどこで働いている?

前述のとおり、ケースワーカーは都道府県や市町村が設立・運営している公的機関で働いています。ここでは、ケースワーカーが働いている職場と、職場別にどのような業務を行っているのかみていきましょう。

福祉事務所

福祉事務所は、都道府県や市町村に設置されている行政機関です。社会福祉の面からサポートが必要な子ども・親子から高齢者、障がいがある人まで幅広い人のサポートを行っています。生活保護の受給に関する手続きも福祉事務所が担当しており、ケースワーカーの代表的な職場といえるでしょう。

児童相談所

児童相談所も都道府県や市町村にあり、0歳から18歳未満の児童・生徒に関する家庭の問題を解決するための行政機関です。児童相談所のケースワーカーは「児童相談所相談員」「児童福祉司」と呼ばれることもあります。児童相談所が扱う問題は、虐待・ネグレクトや不登校・不良行為、養育・子育ての悩みなどです。ケースワーカーは主に保護者と面談し、児童への支援を決定したり、適切な指導を行ったりしています。

医療機関

病院に勤める相談支援員はソーシャルワーカーと呼ばれますが、中でも国公立病院や保健所といった公的機関に勤める相談支援員はケースワーカーです。医療機関に勤めるケースワーカーは、「医療ソーシャルワーカー(MSW)」と呼ばれることもあります。
医療・介護の相談援助を担当しており、患者が抱える問題のうち、医療機関で解決できないようなものについてほかの施設とも連携して、サービス利用に繋げるのがケースワーカーの仕事です。
特に入院患者が退院するときは、退院カンファレンスにも出席し、患者の希望や適した支援について医師や看護師へ情報共有を行います。必要に応じて、患者を福祉事務所や介護施設へ紹介し、継続して支援を受けられるように手配します。

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ケースワーカーになるには

ケースワーカーになるには、地方公務員試験の合格が必要です。地方公務員試験に合格した方のうち、福祉事務所や児童相談所に配属されて福祉業務に着任するとケースワーカーとなります。なお、「ケースワーカー」という資格はありません。応募要件に社会福祉に関する資格が含まれることが多く、配属先によっても求められる資格が異なるようです。

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ケースワーカーに必要な資格は?

前述のとおり、「ケースワーカー」という資格はありませんが、応募時に社会福祉に関する資格の有無を問われるようです。ケースワーカーの応募要件となることが多い資格について紹介します。

社会福祉主事任用資格

社会福祉主事任用資格は、福祉事務所で福祉関連の業務を行う公務員に必要な資格です。厚生労働省「社会福祉主事任用資格の取得方法」によると、社会福祉主事任用資格の資格取得方法は以下のとおりとなっています。

  • 大学・短大で厚生労働大臣が指定する社会福祉関連の科目を3科目以上修了し卒業する
  • 社会福祉主事養成機関を卒業する
  • 全国社会福祉協議会中央福祉学院の社会福祉主事資格認定通信課程を修了する
  • 日本社会事業大学の通信教育科を修了する
  • 都道府県などが主催する講習会で指定科目を修了する

なお、社会福祉士か精神保健福祉士の資格を持っている場合は、社会福祉主事任用資格を保持していると見なされるため、改めて取得する必要はありません。

児童福祉司任用資格

児童福祉司任用資格は、児童相談所でケースワーカーとして働く場合に必要な資格です。児童福祉司任用資格の取得方法は、医療・福祉・教育関係の資格を持っている方とそうでない方でルートが異なります。
医療・福祉・教育関係の資格を持っている方の中でも、相談援助業務の実務経験を問われるかが異なっており、厚生労働省によると詳細は以下のとおりです。

  • 医師、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師(実務経験は問われない)
  • 助産師、保健師、教員(1種)(指定施設で相談援助業務1年以上)
  • 看護師、保育士、教員(2種)、児童指導員(指定施設で相談援助業務2年以上)
  • 社会福祉主事任用資格(社会福祉主事として児童福祉事業2年以上、もしくは児童福祉事業と児童相談所所員として従事した年数を合わせて2年以上、もしくは社会福祉主事の要件を満たしたのち3年以上児童福祉事業に従事)

医療・福祉・教育関係の資格を持っていない方のルートは以下のとおりです。

  • 4年制大学で心理学か社会学、教育学のいずれかを修了して卒業し、指定施設で1年以上相談援助業務に従事する
  • 児童福祉司等養成学校を卒業または指定講習会の課程を修了する

どのルートであっても資格要件を満たした時点で資格付与となり、別途資格試験はありません。

社会福祉士・精神保健福祉士

社会福祉士は身体・社会上の理由から生活に困っている人の相談支援を行う専門資格で、精神保健福祉士は精神疾患がある人や精神障害がある人の相談支援を行う専門資格です。どちらも資格要件を満たした上で国家試験に合格する必要があります。

社会福祉士国家試験の受験資格を得るためには、福祉系大学や短大で指定科目を履修するルート、短期養成施設を卒業するルート、一般養成施設を卒業するルートがあります。福祉系の4年制大学を卒業した方以外は、相談支援業務の実務経験も合わせて必要です。
精神保健福祉士国家試験の受験資格も、指定科目の内容が異なるものの、社会福祉士の受験資格ルートとほぼ同様です。

社会福祉士・精神保健福祉士は、上記で紹介した社会福祉主事任用資格や児童福祉司任用資格を既に保持していると見なされる資格ですので、ケースワーカーを目指す方であればぜひ取得したい資格です。

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ケースワーカーに向いている人の特徴

ここまでケースワーカーの仕事内容や職場を紹介してきました。このようなケースワーカーに向いている人は以下のとおりです。

  • コミュニケーション能力や傾聴力のある人
  • 人の役に立つ仕事や社会貢献がしたい人
  • 冷静な判断・対処ができる人

ケースワーカーは、高齢者や障がいのある方、子育て中の方などさまざまな方から相談を受けます。不安な気持ちによりコミュニケーションに消極的な方もいれば、心配事をすべて聞いて欲しいという方もいるでしょう。適切な支援のためには、相手に合わせてコミュニケーションの取り方を工夫し、信頼関係を築く能力が必要です。支援対象者だけでなく、医療機関や行政機関など連携が必要な関係各所の担当者とのコミュニケーションも求められます。

また、支援がスタートすると、長期にわたって支援対象者の生活に寄り添うことになります。支援対象者と関係が築けたとしても、情に流されて支援を続けてしまっては、支援対象者の自立にはつながりません。現状を冷静に分析し、適切な判断をもって支援ができる人がケースワーカーに向いています。

ケースワーカーについて相談対応や自宅訪問など仕事内容を紹介してきましたが、ケースワーカーの業務の目的は「生活に困っている方の役に立つこと」です。支援対象者の自立や、問題解決までの道のりは簡単なものではありませんが、自分の支援で困っている方の生活を支援できる点にやりがいを感じられるでしょう。

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ケースワーカーの年収

厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」によると、令和4年賃金構造基本統計調査の結果から算定した福祉事務所ケースワーカーの年収は415.7万円となっています。ケースワーカーは勤務する職場によって仕事内容が異なるため、職場により年収も多少異なるようです。

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ケースワーカーとは福祉の公的機関で相談支援を行う

  • ケースワーカーとは、福祉事務所や児童相談所で相談支援業務を行う公務員
  • ケースワーカーは相談業務や支援計画・手続き、支援者のモニタリングなどを行う
  • ケースワーカーという資格はないが、働く際には福祉系の資格取得を求められる
  • ケースワーカーには傾聴力がある人や冷静な判断ができる人が向いている

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