働き方・お悩み
退院調整看護師とは?役割や資格について紹介!
a year ago
退院調整看護師は、入院患者に退院調整や退院支援を行うことで、退院後の生活がスムーズに送れるようサポートする看護師です。この記事では、退院調整看護師の役割や仕事内容、資格について解説しています。そもそも退院調整や退院支援とは何なのか、退院調整看護師とMSWの違いも説明していますので、ぜひ参考にしてください。
退院調整看護師とは
退院調整看護師とは、退院する患者が家族や地域の中で、安心して自分らしく過ごせるよう退院支援・退院調整を行う看護師のことです。施設により、退院支援看護師と呼ばれることもあります。
患者が退院するということは、ただ「病院から出て生活する」というわけではありません。医療者からみれば「退院できる」と評価される病状であっても、患者本人からみれば現時点で退院することに不安を感じているというケースは多くみられます。退院先や退院後の生活に関しても、「訪問看護や訪問介護を利用したい」「一人で生活するのが不安なので施設に入りたい」などさまざまな思いを抱えているのが現状です。
退院調整看護師は、そのような患者の希望をくみ取り、今後の治療方針や病状を考慮しながら患者が退院後によりよい生活が送れるよう体制を整えます。
退院調整と退院支援とは
退院調整と似ている言葉に「退院支援」があります。一般的に退院支援が広義で、退院支援の中に退院調整が含まれる意味合いです。
退院支援とは、患者が自分の病気や障がいを理解し、退院後の療養場所や生活について決めるための支援を指します。退院調整は、患者の自己決定を実現するために、患者・家族の希望に沿って環境・人的資源・物的資源を社会保障制度や社会支援につなぐための調整のことです。
退院調整看護師は、退院支援も含めて、患者の退院に関する業務を広く行っています。
退院調整看護師の役割と仕事内容
退院調整看護師は、医師や病棟看護師、MSW(医療ソーシャルワーカー)などと連携し、退院に関するさまざまな仕事を行っています。具体的な仕事内容は以下のとおりです。
- 退院にあたって発生する患者の問題点のリストアップと共有
- 退院時カンファレンスの実施
- 退院先の調整
- 退院後に利用できる社会資源の検討・調整
- 外来看護師やMSWへ退院後の療養状況について引継ぎ
退院調整看護師は、早ければ患者の入院2~3日目には介入し、退院調整が必要な患者か判断するスクリーニングを行います。多くの病院では評価用のスクリーニングシートが用意されており、シートに記入した内容をもとに退院調整を進めていくようです。退院時の問題点や患者の希望をリストアップしたあとは、退院前にカンファレンスを行い、他職種と意見交換を行って具体的な調整内容を検討します。
退院時カンファレンスで決定した内容に基づいて、関係機関との連携や制度利用の申込を行うのも退院調整看護師の役割です。退院後、外来を利用することがわかっている患者については、外来看護師や外来担当のMSWへ、退院時の状況や自宅や施設での療養予定について引継ぎも行います。
退院調整看護師とMSWの違いは?
退院調整看護師もMSW(医療ソーシャルワーカー)も、退院支援・退院調整に関わる職種なのは共通していますが、支援を考えるための「材料」が異なります。
MSWは患者を取り巻く家族・地域の関係性や支援体制から必要な支援を考えるのが一般的です。一方、退院調整看護師は、患者の疾患や全身状態から必要な支援を考えます。より患者の状態を理解したうえで、適切な社会資源やサービスを検討できるのが退院調整看護師の特徴です。
退院調整看護師として働く魅力
退院調整看護師は、院内の他職種だけでなく、ほかの病院や関係機関とも連携して、患者が退院してからもよりよい形で生活できるよう調整を行います。患者や家族の意見も聞きながら退院調整を進めるため、退院の際は直接感謝の言葉をかけられることも。一つの目標に向かって、さまざまな人と協力して業務を進めていく楽しさは、退院調整看護師ならではの魅力でしょう。
また、退院調整看護師は、外来や病棟勤務とは違い、退院調整専従で働くこともあります。専従で働く場合は処置やケアをせずに、退院調整に集中して仕事ができるのが魅力です。専従であれば夜勤がなく、土日が休みの勤務形態になることもあるため、夜勤を行う体力に自信がなくなってきた方にも退院調整看護師はおすすめです。
退院調整看護師になるために特別な資格はいる?
退院調整看護師になるのに、特別な資格はありません。正看護師の資格があれば、退院調整看護師になれますが、病院での実務経験や訪問看護・地域連携の経験があると経験を活かせるでしょう。実際は、主任や看護師長を経験した看護師が任命されることが多いようです。
地域単位で退院支援看護師を育成する研修会が開かれることもあるので、退院調整に興味のある人は受講してみるのもよいでしょう。カリキュラムは研修会により異なりますが、入退院を支援するプロセスや院外機関との連携方法、ケーススタディなどを交えて退院調整看護師に必要なスキルを学べるようです。
退院調整看護師に向いている人は?
退院調整看護師には、傾聴力や患者の気持ちをくみ取る力のある人が向いています。退院調整看護師は、退院後に患者が希望どおりの生活を送れるよう、調整を行うのが仕事です。患者や家族に退院後の希望について聞き取りを行いますが、病気への不安から退院後のことを考えられない心境の方もいるでしょう。そのようなとき、患者や家族の不安な気持ちに寄り添い、退院後のことだけでなく今の不安も解消できるよう話を聞ける人が、退院調整看護師に向いています。
また、退院後に介護サービスや福祉サービスを利用する患者も多いため、社会福祉の知識を持っている人も退院調整看護師に向いているでしょう。介護施設や障がい者福祉施設などで看護師として働いていた方のキャリアチェンジとしても、退院調整看護師はおすすめです。
退院調整看護師は患者の希望を聞き退院後の生活を調整する
- 退院調整看護師は、患者が退院後によりよい生活が送れるよう計画や調整を行う
- 退院調整看護師はMSWと違い、患者の病状から必要な支援を検討している
- 退院調整看護師は退院調整の業務に集中できる場合が多く、夜勤もほぼない
- 退院調整看護師に特別な資格は必要ないが、看護師の実務経験を問われることがある
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