仕事内容・働き方

福祉用具専門相談員とは?仕事内容や資格について解説!

介護職・ヘルパー仕事内容5 months ago

「福祉用具専門相談員とはどのような職業?」
「福祉用具専門相談員の仕事はきつい?」
そのような疑問を持つ人もいるでしょう。福祉用具専門相談員とは、介護が必要な方に適切な福祉用具を選定する専門職です。この記事では、福祉用具専門相談員の仕事内容や資格について解説しています。向いている人の特徴や給与についても触れていますのでぜひご覧ください。

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福祉用具専門相談員とは

福祉用具専門相談員とは、介護の必要な高齢者や障がい者が利用する「福祉用具」に関する業務を行う専門職です。福祉用具の選定や使用方法をアドバイスしたり、利用者宅を訪問して福祉用具のメンテナンスを行ったりしています。
厚生労働省「介護保険制度における福祉用具、居宅介護支援について」によると、介護保険指定の福祉用具貸与・販売事務所には福祉用具専門相談員の配置が義務付けられており、人員配置基準は常勤で2名以上です。

福祉用具専門相談員の仕事内容

福祉用具専門相談員は、福祉用具貸与事業所や福祉用具販売店において、福祉用具に関するあらゆる業務を行います。詳細な仕事内容についてみていきましょう。
なお、一部の福祉用具専門相談員は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設で働くこともあります。その場合は介護業務がメインで、福祉用具に関する業務を兼務するという扱いになるようです。

福祉用具の選定と相談

高齢者が福祉用具を利用するときは、介護保険制度に則り、介護サービスの一環として利用するのが一般的な流れです。福祉用具専門相談員は、利用者の担当ケアマネジャーと連携し、ケアマネジャーが作成したケアプランに沿って、利用者に合う福祉用具を選定します。

利用計画の作成

福祉用具の選定後、福祉用具専門相談員は利用者と面談を行って、利用計画を作成します。「福祉用具を使用することで、どのように生活を改善したいか」という利用者の希望を聞いて、福祉用具の最終確定や利用計画の詳細を決定するのが目的です。利用計画書に利用者が同意したら、福祉用具の利用が開始します。

福祉用具の適合・調整

福祉用具の利用を開始する際、福祉用具専門相談員は、利用者の障がいの程度や要介護度、住宅の構造・環境を考慮して福祉用具を使いやすくするといった適合を行います。福祉用具の中には、手すりやスロープ、移動用リフトのように設置に場所を取るものや、特別な固定作業が必要なものも。利用者の身体状況や住環境を考慮しながら、それらの設置や取り扱い方法の説明を行います。

福祉用具の点検・モニタリング

福祉用具の利用が開始したあとも、引き続き安全・適正に福祉用具が使用されるためには、福祉用具専門相談員による定期的なモニタリングが必要です。そのため、福祉用具専門相談員は利用者宅に訪問し、福祉用具の状態を確認したり、福祉用具の変更や調整が必要かどうか評価したりしています。
必要があれば修理を行い、福祉用具専門相談員が対応できないものであれば、メーカーに修理依頼をするのも福祉用具専門相談員の役目です。

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福祉用具専門相談員が取り扱う福祉用具

そもそも福祉用具とは、身体機能の低下により日常生活に支障がある方に対し、生活上の便宜を図る目的や機能訓練を行う目的で使用する用具のことです。福祉用具専門相談員が取り扱う福祉用具は、貸与対象用具と販売対象用具にわかれています。基本的に排泄や入浴など衛生に関わる用具は販売対象、それ以外の用具は貸与対象にわけられているようです。
厚生労働省「介護保険制度における福祉用具、居宅介護支援について」によると、福祉用具専門員が取り扱う福祉用具は以下のとおりとなっています。

  • 貸与対象用具…車いす(付属品含む)、特殊寝台(付属品含む)、床ずれ防止用具、体位変換器、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえ、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフト(つり具部分を除く)、自動排泄処理装置など
  • 販売対象用具…腰掛便座、自動排泄処理装置の交換可能部品、入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用介助ベルト)、簡易浴槽、移動用リフトのつり具部分など

福祉用具専門相談員は、これらの福祉用具の適用や使用方法、点検項目などを正しく理解しておく必要があります。

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福祉用具専門相談員になるには

福祉用具専門相談員になるには、指定講習の受講か国家資格の取得が必要です。それぞれの詳細について確認しておきましょう。

福祉用具専門相談員指定講習を受ける

福祉用具専門相談員になりたい人にまずおすすめするのは、福祉用具専門相談員指定講習の受講です。福祉用具専門相談員指定講習は都道府県が指定するスクールで行われており、受講資格がないため誰でも受講できます。
東京都福祉局「東京都福祉用具専門相談員指定講習指定事務等実施要綱」にて掲載されているカリキュラムの内容と時間は以下のとおりです。

  • 福祉用具と福祉用具専門相談員の役割(2時間)
  • 介護保険制度等に関する基礎知識(4時間)
  • 高齢者と介護・医療に関する基礎知識(16時間)
  • 個別の福祉用具に関する知識・技術(16時間)
  • 福祉用具に係るサービスの仕組みと利用の支援に関する知識(7時間)
  • 福祉用具の利用の支援に関する総合演習(5時間)

引用:東京都福祉局「東京都福祉用具専門相談員指定講習指定事務等実施要綱」

全カリキュラム50時間を修了後、修了試験(筆記試験で1時間程度)を受けて合格すれば、福祉用具専門相談員の資格を得られます。

福祉用具専門相談員指定講習の難易度は?

福祉用具専門相談員指定講習の難易度は、それほど高くないとされています。カリキュラム受講の修了試験は、受講者をふるい落とす試験ではなく、講習内容を理解しているかの確認として行われるからです。もし修了試験に落ちてしまっても、再試験や補習が行われるため心配する必要はないでしょう。

福祉用具の知識を有する国家資格を取得する

福祉用具に関する知識を有する国家資格を持っている人であれば、福祉用具専門相談員指定講習を受けることなく、福祉用具専門相談員として働くことが許可されています。一般財団法人全国福祉用具専門相談員協会によると、福祉用具に関する知識を有する国家資格として定められているものは以下のとおりです。

  • 保健師
  • 看護師、准看護師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 社会福祉士
  • 介護福祉士
  • 義肢装具士

引用:一般財団法人全国福祉用具専門相談員協会「福祉用具専門相談員についてのQ&A」

これらの資格をすでに持っている方でも、希望すれば福祉用具専門相談員指定講習を受講することもできます。

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福祉用具専門相談員に向いている人

福祉用具専門相談員には、新しい知識を吸収するのが得意な人が向いているでしょう。介護や福祉の業界では、年々新しい技術が導入され、用具の種類や目的も広がっています。次々に発売される福祉用具や新しい技術に対しても勉強を怠らず、知識を吸収していくことが大切です。

また、福祉用具専門相談員はケアマネジャーとの信頼関係や、利用者や家族の要望を聞くことが求められます。利用者や家族との関わりの中では、福祉用具を使用している状況をモニタリングすることも。モニタリングでは福祉用具を正しく使えているか、不便に感じている点はないかなど細かい点に気づく必要があります。どのような人とも円滑にコミュニケーションを取れる人や、細かい変化に気づける人が福祉用具専門相談員に適任です。

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福祉用具専門相談員の給与

厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」によると、福祉用具専門相談員の平均年収は2022時点で約382万円でした。同調査では施設介護員の平均年収が約363万円、訪問介護員の平均年収が約353万円となっています。福祉用具専門相談員は、介護スタッフより年収が高い傾向にあるようです。「介護の仕事に興味があるが、身体介護を行える自信がない」といった人は、福祉用具専門相談員として働く選択肢を考えてみても良いかもしれません。

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福祉用具専門相談員に関するよくある質問

ここでは、福祉用具専門相談員に関するよくある質問を紹介しています。福祉用具専門相談員の仕事に興味がある方はぜひ参考にしてください。

福祉用具専門相談員指定講習の費用は?

福祉用具専門相談員指定講習の費用は、地域やスクールにより異なりますが、4~6万円程度です。
なお、福祉用具専門相談員指定講習を行うスクールは、厚生労働省より特定一般教育訓練および一般教育訓練の指定を受けている場合があります。特定一般教育訓練指定校であれば受講料の40%、一般教育訓練指定校であれば受講料の20%が給付される仕組みです。
厚生労働省「教育訓練給付制度」によると、給付条件は以下の条件にすべて当てはまる場合となっています。

  • 受講開始日時点で在職中で、雇用保険に加入している人、または離職してから1年以内の人(妊娠、出産、育児、疾病、負傷などの理由により適用対象期間の延長を行った場合は最大20年以内)
  • 今回、教育訓練給付を受けるのは初めてで、雇用保険の加入期間が1年以上ある人または過去に教育訓練給付を受けたことがあり、雇用保険の被保険者期間が通算3年以上ある人

引用:厚生労働省「教育訓練給付制度」より一部加工して掲載

教育訓練給付を受ける場合は、指定校で福祉用具専門相談員指定講習を修了後に、別途ハローワークでの手続きが必要です。

福祉用具専門相談員の仕事はきつい?

福祉用具専門相談員の仕事は、「きつくない」とは言い切れないでしょう。
福祉用具専門相談員は、介護スタッフのように利用者の移乗介助や入浴介助などを行うことは基本的にありませんが、車いすや介護ベッドなど大きな福祉用具を搬入する際には体力が必要です。また、職場が民間企業であれば、福祉用具を提案するのにある程度営業力を求められることもあります。人によってはそれらを「きつい」と感じることもあるでしょう。

一方で、自分が提案・管理する福祉用具で要介護者の生活がよりよくなる姿を見て、やりがいを感じられる仕事でもあります。
きついことばかりを求められる仕事ではないため、福祉用具専門相談員の仕事に興味がある方は転職を考えてみてもよいでしょう。

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福祉用具専門相談員は適した福祉用具を選定する専門職

  • 福祉用具専門相談員は、福祉用具の選定や調整、点検などを行っている
  • 福祉用具専門相談員は福祉用具専門相談員指定講習を修了すると資格が得られる
  • 福祉用具専門相談員は一部の国家資格を持っていればすでに資格保持者と見なされる
  • 福祉用具専門相談員は新しい知識を吸収するのが得意な人が向いている

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