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小規模多機能型居宅介護とは?仕事内容や特徴をわかりやすく解説

a year ago

「小規模多機能型居宅介護とは?」
「小規模多機能型居宅介護で働きたい!」
そう思う方もいるでしょう。小規模多機能型居宅介護とは、通所・訪問・泊まりのサービスを展開している介護施設です。この記事では小規模多機能型居宅介護の施設詳細や仕事内容、勤務が向いている人について解説しています。勤務におけるメリット・デメリットや、平均給与についても説明していますので、ぜひご覧ください。

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小規模多機能型居宅介護とは

小規模多機能型居宅介護とは、在宅で介護を受ける方向けの介護保険サービスで、3種類のサービスを受けられるのが特徴です。要介護者や認知症の方が、できる限り住み慣れた家で生活を送る手助けとしてサービスを提供しています。小規模多機能型居宅介護は地域密着型サービスとして位置づけられており、事業所の指定や指導、監督は市町村の担当です。

小規模多機能型居宅介護の利用対象・定員

小規模多機能型居宅介護を利用できる方は、以下の条件にすべて当てはまる方です。

  • 要支援または要介護認定を受けている方
  • 事業所の所在地と同じ市町村にお住まいの方

小規模多機能型居宅介護を利用したいとき、利用者や家族は担当のケアマネジャーか地域包括支援センターに相談が必要です。そこから利用する事業所に所属しているケアマネジャーに担当が引継がれ、利用開始となります。
小規模多機能型居宅介護を利用する際は、ほかの事業所の訪問介護、デイサービス、ショートステイは併用できません。訪問看護や訪問リハビリ、往診は併用できます。
料金は月ごとに定額制となっており、介護保険支給限度基準額を超える心配がないところが利用者にとってうれしいポイントでしょう。なお、食費や宿泊費、おむつ代などは別途自己負担となります。

厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」によると、小規模多機能型居宅介護の1事業所あたりの登録定員は29名までとなっており、通所サービスの定員は15名、泊まりサービスの定員は9名までです。訪問サービスの定員の規定はないため、利用者からの要請や事業所の人員状況に応じて、事業所が訪問サービスを行う人数を調整しています。

小規模多機能型居宅介護の職員の人員配置

厚生労働省「小規模多機能型居宅介護及び看護小規模多機能型居宅介護(参考資料)」によると、小規模多機能型居宅介護の人員配置は以下のとおりです。

                                                                
職種人員配置基準(本体事業所)
代表者認知症対応型サービス事業開設者研修を修了した者
管理者認知症対応型サービス事業開設者研修を修了した常勤・専従の者
介護職員 日中 通いサービス 利用者3名に対し、常勤職員が1名以上
訪問サービス 常勤職員が1名以上
夜間 夜勤職員 時間帯を通じて1名以上(宿泊利用者がいない場合は置かないことができる)
宿直職員 時間帯を通じて1名以上
看護職員 1名以上
介護支援専門員小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修を修了した者が1名以上

引用:厚生労働省「小規模多機能型居宅介護及び看護小規模多機能型居宅介護(参考資料)」より一部加工して掲載

小規模多機能型居宅介護は24時間体制でサービス提供を行っているため、夜勤職員や宿直職員の配置も義務付けられています。

小規模多機能型居宅介護の利用者が得られるメリット

小規模多機能型居宅介護の利用者が得られるメリットは、24時間体制で同じ事業所から 訪問・通い・泊まりのサービスを受けられることです。
小規模多機能型居宅介護が創設されるまでは、訪問サービスは訪問介護事業所、通所サービスはデイサービスセンター、泊まりサービスはショートステイ施設と、別々の介護事業所に依頼しなければなりませんでした。サービスを受けたいときは別々に契約し、それぞれ利用予約をする必要があり、サービスごとに担当者が異なるのが実情でした。

小規模多機能型居宅介護は利用者ごとに担当者がつき、どのサービスでも基本的に同じ担当者がケアします。どのサービスでも、急な利用でも、同じ担当者が比較的フレキシブルに対応するのは、利用者や家族にとって安心材料になるでしょう。

また、前述のとおり、小規模多機能型居宅介護の料金は定額制で、利用回数に上限がありません。サービスごとのその日の定員に空きがある限り、何回でも利用できるメリットもあります。

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小規模多機能型居宅介護の仕事内容

小規模多機能型居宅介護の介護職員の仕事内容は、訪問・通所・泊まりの3種類に分かれます。それぞれの仕事内容について詳しくみていきましょう。

訪問サービス

訪問サービスは、利用者宅に訪問して介護を行うサービスです。具体的なサービス内容は以下のとおりとなっています。

  • 安否確認、体調チェック
  • 掃除、洗濯、調理、ゴミ出しといった生活援助
  • 食事介助、移動介助、入浴介助といった身体介護
  • 服薬介助
  • 通院・外出介助 など

決められた時間内で決められたサービスを複数行うという形式だけでなく、安否確認だけ、入浴介助だけというように細かなニーズに合わせてサービスを提供しています。

通所サービス

通所サービスは、家族や事業所の送迎によって事業所に利用者を受け入れて、ケアを行うサービスです。具体的なサービス内容は以下のとおりとなっています。

  • 体調チェック
  • 食事介助、移動介助、入浴介助といった身体介護
  • レクリエーションの実施
  • 送迎
  • 事務作業

昼食を食べるだけ、午後だけなどの短時間の利用から、朝から夕方までの終日利用にも対応しています。

泊まりサービス

泊まりサービスは、事業所に利用者が泊まる場を提供し、介護ケアを行うサービスです。具体的なサービス内容は以下のとおりです。

  • 体調チェック
  • 食事介助、移動介助、入浴介助といった身体介護
  • 歯磨き、更衣といった就寝準備の支援
  • 夜間見守り
  • 送迎

泊まりサービスは、定員内であれば急な利用にも対応しています。

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小規模多機能型居宅介護とほかの介護施設との違い

小規模多機能型居宅介護で行われている介護サービスは、サービスごとに別の介護施設でも提供されています。サービスとして行われている行為はほぼ同じですが、利用方法やサービス提供状況が異なりますので、以下の内容を確認しておきましょう。

小規模多機能型居宅介護でのサービス提供状況
ほかの施設形態のサービス提供状況
訪問サービス…訪問日時、回数、内容がその都度変更できる 訪問介護事業所…利用日時、介護内容がケアプランにより細かく決まっている
通所サービス…食事のみ、午前中のみなど希望する時間のみ利用できる デイサービスセンター…終日利用が基本となる
泊まり・送迎サービス…急な利用でも定員が空いていればすぐに利用できる ショートステイ施設…利用には事前予約が必要

ほかの施設形態ではサービス提供内容や日時が固定されていることが多いようですが、小規模多機能型居宅介護ではそれらを基本的に毎回自由に決めることができ、急な利用にも対応できるという点が特徴です。

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小規模多機能型居宅介護で働くメリット・デメリット

利用者にとってメリットの多い小規模多機能型居宅介護ですが、働く場合にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

小規模多機能型居宅介護で働くメリット

小規模多機能型居宅介護では3種類のサービスを提供しているため、働くことで外出介助や就寝準備のサポートなどさまざまな業務を経験でき、総合的な介護スキルや知識が身につきます。利用者の利用内容が急に変更・追加になることもあるため、対応力も身につくでしょう。
また、定員数が比較的少ないため、担当の利用者に向き合って介護ができます。同じ利用者の訪問・通所・泊まりをケアできるのは、ほかの施設形態にはないメリットです。

小規模多機能型居宅介護で働くデメリット

小規模多機能型居宅介護ではサービス内容が充実していますが、裏を返せば業務範囲が広いと捉えられます。訪問・通所・泊まりの業務に対応しなければならず、同じ介護業界でもほかの施設形態から転職した人などは、慣れるまで大変に感じることもあるかもしれません。また、24時間体制のため、夜勤や宿直勤務があります。日勤業務だけで働きたい方にとっては、勤務が負担になることもあるでしょう。

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小規模多機能型居宅介護の勤務が向いている人は?

小規模多機能型居宅介護の勤務が向いている人は、介護業務についての幅広い知識やスキルを身に付けたい人です。3種類のサービスを経験できるのは、小規模多機能型居宅介護の最大の特徴ですので、介護のスキルや知識を広く身に付けたい人にとって適した環境でしょう。
また、3種類すべての業務に身体介護が含まれており、泊まりサービスでは夜勤もあるため、体力がある人も小規模多機能型居宅介護の勤務が向いています。

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小規模多機能型居宅介護で働くのに資格は必要?

小規模多機能型居宅介護の介護職員には、特別な資格要件がありません。そのため、資格がなくても働けます。しかし、介護系の資格を持っていない職員は、身体介護ができません。実際には募集条件として介護系の資格の有無を問われることがあります。介護系の資格を持っていた方が就職に有利と言えるでしょう。

小規模多機能型居宅介護で働くのにおすすめの資格

ここでは、介護系の資格を持っていない方に向けて、小規模多機能型居宅介護で働くのにおすすめの資格を紹介します。

一つ目は、認知症介護基礎研修です。受講時間は6時間ほどで、1日で取得できます。無資格の介護職員が認知症の利用者を介護する場合、2024年4月から認知症介護基礎研修を修了していることが義務化されました。無資格から介護職員を目指す方の入門資格といえます。

介護職員初任者研修と介護職員実務者研修も、小規模多機能型居宅介護で働くのに活用できる資格です。
介護職員初任者研修は介護職員の初心者向けの資格で、カリキュラムは全130時間となっており、1か月半~3か月ほどで修了できます。
介護職員実務者研修は介護職員初任者研修の上位資格で、カリキュラムは全450時間、約6か月で修了可能です。既に介護職員初任者研修を修了している場合は、カリキュラムの130時間分が受講免除となり、4か月程度で修了可能となります。

小規模多機能型居宅介護で働く職員の給与は?

厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、小規模多機能型居宅介護事業所で働く職員の平均給与と、すべての介護施設の職員の平均給与(月給の場合)は以下のとおりです。

                                                          
小規模多機能型居宅介護事業所すべての介護施設
常勤非常勤常勤非常勤
介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所
(2022年9月時点)
28万7,970円21万1,700円31万7,540円20万9,540円
介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所
(2022年12月時点)
29万1,440円21万6,010円31万8,230円19万6,660円
 

引用:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」

常勤職員は全介護施設の平均に比べて少し給与が低いようですが、非常勤は小規模多機能型居宅介護事業所の職員の方が平均より給与が高いです。

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小規模多機能型居宅介護は複数のサービスを行う事業所

  • 小規模多機能型居宅介護は訪問・通所・泊まりの介護サービスを提供する
  • 小規模多機能型居宅介護はほかの施設形態より利用日や内容に対し柔軟に対応できる
  • 小規模多機能型居宅介護で働くと幅広い介護の知識やスキルを身に付けられる
  • 小規模多機能型居宅介護は無資格でも働けるが介護系の資格があった方が就職に有利

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