転職ガイド
面接の質問と答え方18選!医療、介護、福祉業界の転職者向け
a year ago
面接では、どのような質問をされるのか不安に思っている人もいるでしょう。
この記事では、面接時における具体的な質問と回答例、および回答のポイントを紹介します。
アドリブで質問に回答しようと思っても、実際に面接官を前にするとうまく考えがまとまらなかったり、言葉につまったりする可能性もあるため、事前準備は大切です。
この記事を参考に想定問答集を用意し、ご自分のこれまでの経歴や経験をどう伝えるかまとめておきましょう。
面接の最初に聞かれる応募者の経歴に関する質問
面接の最初の部分では、面接官が応募書類などを見ながら、これまでの経歴や仕事への向き合い方に関する質問を行うことがほとんどです。以下で質問と回答例、また回答のポイントを三つ紹介しますので参考にしてください。
Q.自己紹介をお願いします。
A.○○と申します。○○看護専門学校を卒業し、3年間○○病院にて内科病棟の看護師として勤務してまいりました。患者さまとのコミュニケーションを大切にし、患者さまに寄り添ったケアを心がけてきました。看護師としての幅を広げたく、三次救急医療機関である御院で働きたいと思い志望しました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
自己紹介は、面接の最初によく問われる質問です。自身の最終学歴や職務経歴、アピールポイント、転職動機などについて答えましょう。
答える際のポイントは長くなりすぎないこと。要点を簡潔にまとめることが大切です。時間的には30秒~1分程度でかまいませんが、「3分間でお話しください」というようなケースもありますので、短いバージョンと、長めのバージョンの両方を用意しておくといいでしょう。
Qこれまでどのようなお仕事をされてきましたか。
A.3年間ほど、訪問介護でヘルパーの仕事をしてきました。当初は資格がなかったため、利用者さまのお宅を訪問し、買い物や料理をしたり、掃除をしたりといった生活援助しかできなかったのですが、1年ほど経ってから介護職員初任者研修の資格を取り、身体介護も行うようになりました。
職務経歴を聞かれたときは、どれくらいの期間、どのような仕事をしたのかを時系列順に話すと分かりやすいでしょう。現在の経歴が一番長い場合はその経歴を最初に述べてもかまいません。
また、仕事に関連する資格を取得した実績を伝えると、スキルアップに向けて努力したというアピールにつながり、好印象を与えることができます。
Q.あなたが仕事をするときのやりがいは何ですか?
A.どんなに忙しいときであっても、利用者さまから「ありがとう」の言葉を聞くと、この仕事に就いていてよかったなと思い、やりがいを感じます。排泄ケアはとても苦手だったのですが、ある利用者さまから「あなたがいてとても助かりました。ありがとう」と言われたのを機に、苦手なことも頑張ろうと思うようになりました。
やりがいについては、仕事に対する意欲や働くモチベーションを聞かれていると意識しましょう。具体的なエピソードを交えると、納得感が増し、面接官へのアピール度も高まります。これまでの経験を振り返り、印象的だった出来事をまとめておくといいでしょう。
面接でほぼ100%聞かれる志望動機についての質問
志望動機は必ず聞かれる質問です。採用担当者は志望動機を通じて「応募者がなぜ、自院や自施設で働きたいのか、どんな仕事をしたいのか」を見ようとしています。採用する側と採用される側の思いや今後の方向性がマッチングしなければ、採用は難しくなりますので、求人票や病院・施設の方針なども研究して、回答を用意するようにしましょう。
Q.志望動機をお聞かせください。
A. 前職は、外来しかないクリニックでの看護職として働いてきましたが、昨年母を病気で亡くしたことから、ターミナルケアに興味が湧きました。御施設で終末期医療の看護職員を募集されていることを知り、応募いたしました。ターミナルケアの経験はありませんが、終末期の患者さまに少しでも安らぎを与えられるような看護ができればと考えています。
同じ職務経験がない場合でも、志望する根拠が明確かつ具体的であれば、納得感が得られやすくなります。エピソードを織り交ぜながら回答すると、セット力が加わり、あなただけのオリジナリティを感じられる志望動機になります。
Q.なぜこの施設で働きたいと思ったのですか?
A.以前採用見学会で御施設を訪れたとき、利用者さまの表情が明るく、働いているスタッフの皆さまも笑顔がすてきで、テキパキと仕事をされているのが印象的だったからです。私もそのスタッフの一員となり、ケアを通じて利用者さまのにこやかな表情を見たいと思い志望しました。
机上で考えた志望動機は弱く、訴えるものがありませんが、実際に起こった出来事、経験から引き出されたポジティブな志望動機は強みとなります。
Q.なぜ周産期センターを志望したのですか。
A.将来的に、母性看護専門看護師の資格を取りたいと考えており、実務経験が必要なことから志望しました。ケアの質の水準が高い御施設で、母子の健康に貢献したいと思います。
自分のキャリアアップに欠かせない、明確な志望動機をアピールできれば採用側とのマッチングがしやすくなります。採用側がどのような人物を求めているか、志望する病院・施設などのWebサイトなどを調べておくとよいでしょう。
転職についての質問
転職するにいたった理由や背景についての質問も、志望理由と並んで面接ではよく聞かれます。ネガティブな理由は避けることがポイントになります。
Q.前の職場を辞めた理由を教えてください。
A.前の職場は、仕事内容や人間関係、待遇も問題なかったのですが、私は一人娘であり、地方に住む一人暮らしの父の介護でどうしても仕事を辞めざるを得ませんでした。2年ほど介護をしたのち、父が亡くなり、仕事を再開することにしたのです。
この場合は、父の介護という家庭の事情が理由ですが、前職を辞めた理由では、ネガティブな発言は避けましょう。実際にネガティブな理由であったとしても、ありのままに伝えてしまうと、採用側にマイナスな印象を与える可能性もあります。できるだけポジティブな理由を見付けたり、前向きさを感じられる言葉に言い換えたりしましょう。
Q.現在働いておられますが、転職を考えた背景や理由について教えてください。
A.現在は介護施設で生活相談員として働いています。ただ、介護の現場で働くことがもともとの夢だったため、今後は介護福祉士の資格を取得し、利用者さまをサポートしたいと考え転職を決意いたしました。現場経験を積むにあたって、できるだけ多くの利用者さまと関わりたいと考え、定員150名と規模の大きい御施設を志望いたしました。
現状に対する不満を述べるのではなく、転職が資格取得に必要なことや、キャリアアップすることをアピールしていることがポイントです。現職場に対する批判や不満は快く思われませんので注意しましょう。
Q.転職理由を教えてください。
A.働いていた施設で、新型コロナウイルスのクラスター感染が発生してしまいました。それ以降業績が悪化し、入所者も減り、将来的に不安を感じたことから転職を決意しました。
業績悪化や倒産などの事情は、正直に伝えましょう。給料の遅配などは自分の生活に関わることですから、転職の正当な理由となります。
経験やスキルついての面接質問
これまでの仕事の中で得た経験やスキルについては、具体的なエピソードを交えながら話すことで面接官から共感を得やすいでしょう。
Q.これまでの仕事でどんなスキルを獲得しましたか?
A.コミュニケーション能力です。患者さまの話をよく聞き、なるべく医療関係の専門用語を使わず、説明することを心がけました。また患者さまが車椅子やベッドに寝ていらっしゃるときは、腰を落とし、同じ目線で話すように心がけました。
あなたが仕事の中で実践してきたことや大事にしてきたことを伝えており、実際にスキルが発揮された内容が伝わっています。
Q.仕事をする上で学んだことは何ですか?
A.チームワークの大切さを学びました。介護も一人で行うわけではなく、多くの人が関わっています。交替勤務の際の「○○さんは微熱があるようなので気を付けて」など、申し送りでの細かな共有を大事して参りました。また、IT機器を使い、最新の情報をメンバーと共有することで、安全な介護を実現してきました。
実際の現場で起きる具体的なエピソードから得られた経験を伝えています。また、さりげなくIT機器を使いこなせるというスキルもアピールできています。
Q.あなたの長所はどういうところですか。
A.積極性と行動力があるところだと思います。自ら上長に提案を行い、施設内の危険箇所を調べるチームを立ち上げて、危ない場所には注意喚起のポスターを貼りました。このことをきっかけに、施設内の改修工事も実現することができました。
自分の強みを挙げて、それが具体的な成果につながったことをアピールできている回答例です。
キャリアプランや将来についての面接質問
面接官は応募者のキャリアプランや将来について質問し、どのような人生設計をしているのか、職場にどう貢献してくれるのかを見ようとします。
Q.5年後、10年後にはどんな看護師になっていたいですか?
A.5年後には自ら考えて行動でき、後輩を指導できる看護師になっていたいです。また、10年後には地域の関係者と医療機関、患者さまを繋ぐ架け橋のような存在になっていたいと考えています。そのために、〇〇分野における専門知識を高めつつ、積極的に外部との関わりを持ちながら看護に励んでまいります。
転職であっても、若い世代の場合は、具体的なキャリアプランは浮かびづらいと思います。その場合は、5年後の自分、10年後の自分を思い浮かべて、理想の姿を語ってみましょう。
Q.あなたのキャリアプランを教えてください。
A.将来一度は海外で看護師として働きたいと考えています。現在は、英語の勉強を続けているほか、海外の医療制度についての日々情報収集を行っています。看護を通じて国際的な貢献をするのが目標です。
将来のキャリアプランだけを語るのではなく、それに向けた勉強をしているなど、実現に向けたアクションも示しているのがポイントです。
Q.将来的には管理職への希望はありますか?
A.はい。できれば管理職に就きたいと考えています。さまざまな経験を積みながら、多くのスタッフの信頼を得てリーダーシップを発揮し、経営に貢献できるような存在になりたいと考えています。そのためにも認定介護福祉士の資格取得に向けて頑張りたいと思います。
明確なキャリア設計ができていれば問題ありません。自分のビジョンを語り、それに向けたプランを説明しましょう。
働く条件についての面接質問
応募者の希望する待遇や条件は、面接官にとって気になるところです。ここでは以下三つの質問例を紹介します。
Q.夜勤はできますか?
A.夜勤は前職でも経験してきましたし、子どももおりませんので大丈夫です。
ここでは夜勤ができる回答例ですが、家庭の事情でできない場合もあると思います。求人票に勤務条件が記載されているはずですので、事前に確認しておきましょう。
Q.配属先の希望はありますか?
A.これまでは一般的な介護職しか経験はなかったのですが、こちらでは認知症の利用者も受け入れておられるようですので、仕事の幅を広げる意味でも、認知症ケアに携わりたいと考えています。もちろんこれまでと同様の仕事でもかまいません。
配属先の希望については、その理由や範囲を含めて答えることが大切です
Q. 在宅医療の患者宅への訪問に抵抗はありませんか。
A.現在の地域包括ケアシステムにおいては、在宅医療も重要な医療のあり方だと考えておりますので、特に抵抗はありません。
近年の医療制度にも精通していることや、貢献度の高い人物であることをアピールしています。
面接での逆質問
逆質問とは面接官からの質問が一通り終わった際に「何か質問はありませんか」と聞かれることです。その際に「特にありません」と答えると評価が下がってしまう可能性もあります。逆質問をして志望先への転職の意欲や熱意をアピールしましょう。
たとえば、「御施設で働くにあたって勉強したり、読んでおくといい書籍はありますか?」という質問や「前職では利用者さまやご家族にアンケートを取って、サービスの改善につなげたりしていました。こちらでもそのような取り組みは可能でしょうか」といった提案をしてみるのもよいかもしれません。ただし、給与や待遇、福利厚生など、調べれば分かるような質問は避けるようにしましょう。
面接で質問をされて困ったときの対処法
面接では、面接官から想定外の質問をされる場合があります。もし、どう答えるべきか分からないときや言葉に詰まってしまった際は、面接官の質問の意図を考えましょう。答え方に迷った場合は、「今のご質問には、介護において私が感じる重要度をお答えすればよろしいでしょうか?」と別の言葉で聞き返して、ヒントを見出すのも一つの方法です。。また、まったく理解できない質問であれば素直に「不勉強で分かりかねます」と答える覚悟も必要でしょう。
面接を成功させるには事前準備が大切
- 面接の前に想定問答集を作成しておく
- 応募者の強みやアピールポイントについて面接で質問されることが多い
- 面接では、将来のキャリアプランや、目標・計画についても質問されることがあるので事前に答えを考えておく
面接の際は上記のような事前の準備が必要となります。それをもとに面接の場で効果的にアピールし、もう一度会いたい、一緒に働きたいと面接官に思わせれば、成功につながるはずです。
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