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退職金はどのくらいもらえる?相場・仕組み・税金について解説
a year ago
退職や転職にあたって自分がどれくらい退職金をもらえるのか把握できていないという方も多いのではないでしょうか。
また、相場感や税金との関係についても気になるところかもしれません。
ここでは退職金について知りたい方に向けて、相場から仕組み、税金との関係について説明します。
退職金の相場
退職金の相場は、退職理由やその方の最終学歴や勤続年数、業種、勤め先の規模など、さまざまな要因によって異なります。
ここでは学歴別や業種別など、それぞれの観点に分けて退職金の相場を説明します。
学歴・退職理由別に見る退職金の平均額
平成30年就労条件総合調査によると、最終学歴と退職理由によって退職金の額が大きく異なることが分かります。
それぞれの退職金の平均額は、以下のとおりです。
【自己都合の場合】
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 1,519万円
- 高校卒(管理・事務・技術職)1,079万円
- 高校卒(現業職)686万円
- 中学卒(現業職)372万円
【会社都合の場合】
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 2,156万円
- 高校卒(管理・事務・技術職)1,969万円
- 高校卒(現業職)1,118万円
【定年退職の場合】
- 大学・大学院卒:(管理・事務・技術職)1,983万円
- 高校卒(管理・事務・技術職)1,618万円
- 高校卒(現業職)1,159万円
- 中学卒(現業職)965万円
【早期優遇退職者の場合】
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 2,326万円
- 高校卒 (管理・事務・技術職)2,094万円
- 高校卒(現業職)1,459万円
- 中学卒(現業職)1,300万円
学歴別に見ると、退職理由に関わらず大学・大学院卒の方の退職金額が最も高い結果となっています。中学卒と大学・大学院卒の退職金額を比較した場合は、1,000万円ほどの差があることが分かるでしょう。
また、自己都合と会社都合の退職金を比較すると、学歴に関わらず会社都合で退職したほうが金額が高い結果となっています。
業種別にみる退職金の平均額
次は業種に分けて退職金の金額を見てみましょう。
東京都産業労働局の中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)によると、定年退職時の退職金の金額が最も高かったのは、「大学卒の金融・保険業」で約1,726万円でした。次いで多かったのは「大学卒の不動産・物品賃貸業」で、約1,354万円となっています。
高校卒だけで見ると、定年退職時の退職金の金額が高かったのは、「生活関連サービス業・娯楽業」で約1,130万円、次に「卸売り・小売業」の約1,019万円です。
勤続年数別に見る退職金の平均額
退職金の平均額は、勤続年数によっても異なります。
りそな年金研究所の「企業年金ノート(2021年4月)」によると、退職理由が「自己都合」か「会社都合」かで変わりますが、大企業であれば下記のような金額が水準となります。
- 3年で約30万円台〜60万円台
- 5年で約60万円台〜120万円台
- 10年で約180万円〜310万円
- 20年で約800万円〜960万円
- 30年で約1,900万円〜 2,010万円
勤続年数が増えるにつれて、退職金の金額も高くなることが分かります。
なお、職場によっても退職金の金額は異なりますが、中小企業における平均額は上記の半額に近い数字となっています。
退職金の仕組み
退職金には、退職一時金制度と企業年金制度の大きく二つの仕組みが存在します。
企業によってはどちらも併用している一方、場合によっては退職金制度そのものを導入していない企業もあります。それぞれどのような特徴があるのか次の項で説明します。
退職一時金制度
退職一時金制度は、退職と同時に一括で退職金を受け取ることができる制度です。
社員が在職中に、原資を社内もしくは社外で積み立てるかによって「社内準備型」と「社外準備型」という形に分かれます。
また、社外準備型は社外積立型とも呼ばれ、中小企業退職金共済制度や特定退職金共済制度が存在します。
企業年金制度
金業年金制度は、退職金を定期的に分割で受け取ることができる制度です。
企業年金にはいくつかの種類があり、ほとんどは確定給付企業年金制度、企業型確定拠出年金制度、厚生年金基金制度のいずれかです。
退職金を受け取る際の税金
退職金の受け取り方について知っておく必要があるのは税金との関係です。
ここでは退職金を受け取ると、どのような税金の手続きが必要なのか説明します。
退職所得となるため納税が必要
退職金は、退職所得とみなされるため課税対象となり、所得税や住民税、復興特別所得税を支払う義務が生じます。
ただし、納税が必要になるとはいえ、退職所得控除が適用されたり、ほかの所得とは別で課税されたりするなど、税負担が軽減されるように配慮されています。
勤続年数によって退職所得控除額が異なる
退職一時金として受け取る場合は、勤続年数によって非課税となる金額が変化します。
非課税額は勤続20年以下かそれを上回るかで計算式が変わり、20年を超えるまでは40万円×勤続年数、20年以上の場合は800万円+70万円×(勤続年数-20年)となります。
退職所得申告書で確定申告が不要に
退職金の支払いを受けるまでに退職所得申告書(退職所得の受給に関する申告書)を勤め先に提出すると確定申告を自分で行わずに済みます。
ただし、医療費控除や寄付金控除などを受ける方の場合は、確定申告の際に退職所得の金額を記載する必要があります。
iDecoや企業型確定拠出年金も一時金で受け取ると退職所得に
私的年金制度のiDecoや企業型確定拠出年金を受け取る場合は注意が必要です。
受け取り方には、「一時金」「年金」「一時金と年金を組み合わせた方法」の3つのパターンがあり、このうち年金として受け取る場合は雑所得として、一時金の場合は退職所得となります。税負担の割合は、所得や退職金の金額によっても変わってくるため、一概にどちらがお得とは言い切れません。ご自身の状況に応じて、税金の額も考慮して受け取り方を決めるとよいでしょう。
退職金の関するまとめ
退職金の相場や仕組み、税金との関係について説明しました。
- 退職金は、勤続年数が長いほど多くなる傾向にある
- 退職金には、主に退職一時金と企業年金制度の二つがある
- iDecoなどは一時金と年金で税金のかかり方が異なるため、受け取り方法まで考えておいた方がよい
退職金について正しい知識を身に付けて、ご自身が損をしないように対策を立ててください。
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