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特定看護師とは?なる方法や特定行為、現場のメリットを解説

a year ago

「特定看護師とはどのような看護師?」
「特定看護師はどんな医療行為ができる?」
このように思っている方もいるでしょう。特定看護師は、研修を受けた区分の特定行為が行える特別な看護師です。この記事では、特定看護師になる方法や行える特定行為、医療現場にもたらすメリットについて解説していますので、ぜひご覧ください。

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特定看護師とは

特定看護師とは、特定行為を行うために必要な特定区分研修を修了した看護師のことで、 厚生労働省「特定行為に係る看護師の研修制度」により定められています。
一般的な看護師が行う看護ケアや処置に加え、特定行為と呼ばれるより高度な医療行為を行えるのが特徴です。厚生労働省「特定行為研修を修了した看護師数(特定行為区分別)」によると、2023年3月時点で特定看護師は6,875名います。

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特定看護師が行える特定行為

特定行為は21区分38行為あり、区分ごとに研修が行われています。特定看護師はどの区分の研修を受講するか選択し、受講修了した区分の特定行為のみ行えるしくみです。
厚生労働省「特定行為区分とは」によると、厚生労働省により定義されている特定行為は以下のとおりとなっています。

特定行為区分
特定行為
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 経口用気管チューブまたは経鼻用気管チューブの位置の調整
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 ・人工呼吸器(侵襲的陽圧換気・非侵襲的陽圧換気)の設定の変更
・人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
・人工呼吸器からの離脱
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 気管カニューレの交換
循環器関連 ・一時的ペースメーカーの操作および管理
・一時的ペースメーカーリードの抜去
・経皮的心肺補助装置の操作および管理
・大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整
心嚢ドレーン管理関連 心嚢ドレーンの抜去
胸腔ドレーン管理関連 ・胸腔ドレーンの吸引圧の設定およびその変更
・胸腔ドレーンの抜去
腹腔ドレーン管理関連 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む。)
ろう孔管理関連 ・胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテルまたは胃ろうボタンの交換
・膀胱ろうカテーテルの交換
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 中心静脈カテーテルの抜去
栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
創傷管理関連 ・褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
・創傷に対する陰圧閉鎖療法
創部ドレーン管理関連 創部ドレーンの抜去
動脈血液ガス分析関連 ・直接動脈穿刺法による採血
・橈骨動脈ラインの確保
透析管理関連 急性血液浄化療法における血液透析器または血液透析ろ過器の操作および管理
栄養および水分管理に係る薬剤投与関連 ・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
・脱水症状に対する輸液による補正
感染に係る薬剤投与関連 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与
血糖コントロールに係る薬剤投与関連 インスリンの投与量の調整
術後疼痛管理関連 ・持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整
・持続点滴中のナトリウム、カリウムまたはクロールの投与量の調整
・持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
・持続点滴中の糖質輸液または電解質輸液の投与量の調整
・持続点滴中の利尿剤の投与量の調整
精神および神経症状に係る薬剤投与関連 ・抗けいれん剤の臨時の投与
・抗精神病薬の臨時の投与
・抗不安薬の臨時の投与
皮膚損傷に係る薬剤投与関連 抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射および投与量の調整

出典:厚生労働省「特定行為区分とは」より引用

厚生労働省「特定行為研修を修了した看護師数(特定行為区分別)」によると、2023年3月時点で最も受講されている特定行為区分は、「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」で、5,611名となっています。

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特定看護師とほかの看護師との違い

特定看護師のほかにも、特定行為を含むケアや処置を行える専門性の高い看護師がいます。ここでは、特定看護師とほかの特別な看護師との違いについてみていきましょう。

認定看護師

認定看護師は、公益社団法人日本看護協会が認定している看護師です。公益社団法人日本看護協会によると、「ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有する者として、公益社団法人日本看護協会の認定を受けた看護師」と定義されています。

認定看護師になるには、看護師としての実務経験が5年以上必要です。感染管理・緩和ケア・クリティカルケアなどの分野から1分野を選択し、所定の課程を修了して認定審査に合格すると、認定看護師になれます。認定後は5年ごとに更新審査が必要です。認定看護師は現場での専門的な看護技術の実践に重きを置いた認定制度で、後述する専門看護師よりも分野が細分化されています。

専門看護師

専門看護師も、公益社団法人日本看護協会が認定している看護師です。公益社団法人日本看護協会によると、
「看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた看護師」と定義されています。

専門看護師になるには、看護系大学院の修士課程で専門看護師教育課程の修了と、実務経験5年以上(うち3年以上は専門看護分野の実務経験)が必要です。がん看護・在宅看護・小児看護などの13分野から1分野を選択し、認定審査を通過すると専門看護師になれます。認定後は5年ごとに更新審査が必要です。専門看護師は看護技術の実践に加え、教育・研究も担う存在として位置づけられており、認定看護師よりも幅広い内容をカバーできます。

診療看護師

診療看護師は、日本NP教育大学院協議会が認定している大学院にて診療看護師養成修士課程を修了し、NP資格認定試験に合格した看護師です。資格取得後は5年ごとに更新審査が必要となります。すべての特定行為を行えるのが最大の特徴で、医師の判断を待たずに一部の検査・処置・説明を行えるのが特徴です。外来・病棟単位ではなく、医師のように診療科所属で働く診療看護師もおり、看護職のエキスパートでありながら、医師により近い立場となっています。

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特定看護師になるには?

特定看護師になるには、厚生労働省指定の学校・病院(指定研修機関)において特定行為研修を受けた後、筆記試験に合格しなければなりません。研修を受けるのに必要な実務年数は指定研修機関により異なっています。実務年数を問われない場合もあれば、年数を問われる場合は臨床経験3~5年以上になっていることが多いようです。

特定行為研修はすべての区分に共通する共通科目(250時間)と、区分別科目(5~34時間)により構成されています。区分ごとに研修を行う指定研修機関が異なり、一部の機関では講義と演習にe-ラーニングを導入しているケースもあるようです。
厚生労働省医政局看護課「特定行為に係る看護師の研修制度に関するQ&A」によると、標準的な研修期間は区分により異なり、短期間の区分では6か月、研修が長い区分では24か月かかることもあります。研修が長期間となれば、資格取得へのハードルが高いように感じる方もいるかもしれません。ですが、特定看護師は更新制ではないため、一度資格を取得すれば一生ものの資格になります。

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特定看護師が医療現場にもたらすメリット

特定看護師の資格を取得することは、看護師自身のメリットになるだけになく、医療現場全体にメリットをもたらします。どのようなメリットが得られるのか、立場別に紹介します。

医師にもたらすメリット

特定看護師が医師にもたらすメリットは、「医師の業務軽減」です。厚生労働省「これからの医療を支える看護師の特定行為研修制度のご案内」によると、通常の診療と特定看護師がいる場合の診療の流れは以下のとおりとなっています。

通常の診療の流れ
特定看護師がいる場合の診療の流れ
診察 ・医師が診察、必要な検査・処置の指示とともに病状の変化があれば報告するよう看護師に指示 ・医師が診察、病状の変化が手順書の範囲内であれば、手順書どおりの処置をするよう特定看護師に指示
病状観察 ・看護師は患者の病状を観察 ・特定看護師が病状観察
報告 ・症状を医師へ報告 (病状の変化が手順書の範囲内であれば報告不要)
指示受け ・医師から検査・処置について追加指示 (病状の変化が手順書の範囲内であれば指示受け不要)
処置 ・看護師が指示どおり処置を行う ・特定看護師が手順書の範囲内で判断し、処置を行う
報告 ・看護師が処置の結果を医師へ報告 ・特定看護師が処置の結果を医師へ報告

出典:厚生労働省「これからの医療を支える看護師の特定行為研修制度のご案内」より一部加工し引用

このように特定看護師がいれば、報告や指示受けを省略できるケースがあります。特定看護師の特定行為に対して医師が手順書を書いておけば、 特定看護師は医師の指示・立会いなしで特定行為を含む看護行為ができる仕組みです。医師は指示や報告受けの回数が減るため業務軽減につながり、医療が逼迫している現場全体のメリットにもつながります。なお、手順書の内容については後述します。

患者にもたらすメリット

特定看護師は患者にもたらすメリットもあります。前述のとおり、医師の到着を待たずに早く治療してもらえるケースが増えるため、待っている間の苦痛な時間が減り、症状が悪化する可能性が低くなることです。医師不足で診察・処置までの待ち時間が長いといわれる医療現場ですが、特定看護師がいればそれらの問題も緩和できるでしょう。

特定看護師自身にもたらすメリット

特定看護師自身のメリットは、医師が事前に作成した手順書をもとに、看護師の判断で特定行為ができることです。厚生労働省「手順書とは」で提示されている手順書の記載内容は下記のとおりになっています。

1.看護師に診療の補助を行わせる患者の病状の範囲
2.診療の補助の内容
3.当該手順書に係る特定行為の対象となる患者
4.特定行為を行うときに確認すべき事項
5.医療の安全を確保するために医師又は歯科医師との連絡が必要となった場合の連絡体制
6.特定行為を行った後の医師又は歯科医師に対する報告の方法

出典:厚生労働省「手順書とは」より引用

手順書の範囲であれば自分の判断で処置を進められるため、特定看護師自身も仕事を進めやすいと考えられます。

特定看護師自身が得られるメリットは業務面だけでなく、資格手当がつく場合がある、看護師としてスキルアップできる、昇進や転職に有利になるといったメリットもあります。

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特定看護師の給料は?

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均給与は35万1,600円となっています。また、この給与額をもとに平均賞与額を含めて平均年収を計算すると、508万1,300円になります。
特定看護師に特化した給料のデータがないため詳細な金額は不明ですが、資格手当が出たり、特定行為を行った際に行為手当が出たりする医療機関もあるようです。そのため、特定看護師は一般的な看護師より給料が高くなることも期待できるでしょう。

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特定看護師は一部の特定行為ができる看護師

  • 特定看護師は特定行為研修を修了した区分の特定行為が行える看護師
  • 特定看護師は医師の手順書に従い、一部の処置を自分の判断で行える
  • 特定看護師は認定看護師や診療看護師と違い、資格取得後に更新手続きは不要
  • 特定看護師は医師の業務負担軽減に貢献でき、患者にもメリットをもたらす
  • 特定看護師は資格手当や行為手当により、通常の看護師より高収入を見込める

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