仕事内容・働き方

相談支援事業所とは?種類別の業務内容や活躍できる専門職を紹介

生活相談員10 months ago

「相談支援事業所はどのような施設?」
「相談支援とは?」
このような疑問を持つ方もいるでしょう。相談支援事業所は、障がいのある方へ社会的な支援を行う施設です。この記事では、相談支援事業所の業務内容や種類、相談支援について解説しています。相談支援事業所で働く相談支援専門員になる方法や、給料についても触れていますので、ぜひご覧ください。

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相談支援事業所とは

相談支援事業所とは、障がい者や障がい児が障がい福祉サービスを利用できるよう、情報提供や支援、関係機関との調整を行う事業所のことです。障がいのある方やその家族からの相談を受けて、アセスメントを行い、適切な情報提供を行っています。

相談支援とは

相談支援とは、障がいのある方の状況や悩みに対する相談に応じ、生活の自立や、適切な施設の利用などの支援を行うことです。相談支援は、市区町村の窓口や相談支援事業所で行われています。

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相談支援事業所の種類と業務内容

相談支援は、「基本相談支援」「計画相談支援」「地域相談支援」「障がい児相談支援」に分かれています。相談支援事業所により、対応する相談支援の種類に違いがあるのが特徴です。ここでは相談支援事業所の種類と、各事業所の相談支援の内容を解説します。

一般相談支援事業所

一般相談支援事業所は、相談支援事業所のうち、都道府県が指定するものです。障がいのある方が施設や病院を出て、地域生活を送るには支援が必要となります。一般相談支援事業所では、障がいのある方が自立した地域生活を開始し、暮らし続けるための総合的な支援を行っています。実施している相談支援の種類は以下のとおりです。

  • 基本相談支援
  • 地域相談支援(地域移行支援、地域定着支援)

基本相談支援は、すべての相談支援の基礎となる相談支援で、ほかの支援への起点となります。障がいのある方や家族から相談を受け、アセスメントを行い、さらなる専門的な支援に引き継ぐのが役割です。

地域相談支援とは、障がいのある方が自立した地域生活を送れるように実施する相談支援です。地域相談支援は、地域移行支援と地域定着支援に分かれています。
地域移行支援とは、障がいのある方が施設や病院を出て、地域で自立した生活を送るための支援のことです。利用を検討している福祉サービスの見学・体験の同行や、入居準備のサポートなどを行っています。

地域定着支援とは、すでに地域で自立した生活を送っている障がい者が、再び施設や病院に入所せず暮らすための支援のことです。緊急時や相談したいことがあるときにすぐ支援ができるよう、連絡体制を整えるなどの支援を行っています。

特定相談支援事業所

特定相談支援事業所は、相談支援事業所のうち、市区町村が指定するものです。障がいのある方が障がい者福祉サービスを利用するときは、相談支援事業所が個人の状況や悩みを踏まえ、具体的な支援プランを作成する必要があります。特定相談支援事業所の業務内容は、必要な障がい福祉サービスの案内や支援プランの作成などです。特定相談支援事業所で実施する相談支援は、以下のとおりです。

  • 基本相談支援
  • 計画相談支援(サービス利用支援、継続サービス利用支援)

特定相談支援事業所を利用する場合も、基本相談支援でアセスメントを行い、おおまかな支援方針を決めたあとに、計画相談支援に繋げます。

計画相談支援とは、障がいのある方が障がい福祉サービスの利用を開始するときや利用中に行う支援のことです。計画相談支援も2種類に分かれており、サービス利用支援と継続サービス利用支援となっています。

サービス利用支援とは、個人の悩みや要望に合った障がい福祉サービスを利用開始するための支援のことです。障がい福祉サービスの利用申請時に必要な「サービス等利用計画案」を作成したり、事業所との連絡調整などを行ったりしています。

継続サービス利用支援とは、障がいのある方へ提供している障がい福祉サービスを見直す支援のことです。まず、サービス利用者へのモニタリングを行い「サービス等利用計画」の見直し・調整を行います。そのあと、関係機関とサービス内容に関する会議を実施したり、サービスの利用更新などを行ったりしています。

障がい児相談支援事業所

障がい児相談支援事業所は、障がい児通所支援を利用したい障がい児の家族から、相談を受け付ける事業所です。児童発達支援や放課後等デイサービスなど、障がい児の年齢や状態にあった障がい児通所支援を紹介しています。障がい児通所支援事業所で行われる相談支援は2種類あり、障がい児支援利用援助と、継続障がい児支援利用援助です。

障がい児支援利用援助とは、障がい児通所支援の使用開始に関する援助のことです。障がい児の心身状況や、本人・保護者の希望を把握し、適切なサービスを検討します。施設利用に際し、「障がい児支援利用計画案」を作成するのも障がい児支援利用援助で行う業務です。

継続障がい児支援利用援助は、利用中の障がい児通所支援の見直しを行う援助のことです。施設利用時にモニタリングを行い、必要に応じて利用開始時に作成した「障がい児支援利用計画」を変更して、適切なサービス提供へ繋げています。

基幹相談支援センター

基幹相談支援センターは、市区町村や市区町村が委託する社会福祉法人・社会福祉協議会に設置されている施設です。相談支援の地域拠点として総合的な業務を行っており、相談支援事業所に指導・助言を行ったり、相談者を紹介しあったりしています。また、障がい者の権利擁護・虐待防止のために、成年後見人制度利用支援事業の推進を行うことも基幹相談支援センターの重要な業務です。

基本的には地域拠点としての業務が多く、基幹相談支援センターは障がいのある方から相談を受けると、悩みや課題にあった相談支援事業所に支援を依頼します。逆に、相談支援事業所で対応が難しいケースが発生した場合は、依頼を受けて基幹相談支援センターで相談支援を行うこともあります。

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相談支援専門員とは

相談支援専門員とは、障がいのある方やその家族が、適切に障がい者福祉サービスを受けられるよう支援を行う専門職です。相談支援専門員は各相談支援業務において、配置が義務付けられている場合があり、具体的には以下のとおりです。

  • 一般相談支援事務所で地域移行支援・地域定着支援を行う職員のうち、それぞれ1名以上
  • 特定相談支援事業所または障がい児相談支援事業所で相談支援を行う職員の中で、1名以上

相談支援専門員の主な仕事は、相談対応業務です。具体的には相談者へのアセスメントや「サービス等利用計画」の作成、相談支援職員に対する指導・助言をしています。また、相談支援業務に支障がなければ、事業所管理者との兼務が可能です。

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相談支援専門員になるには

相談支援専門員になるには、相談支援従事者初任者研修を修了しなければなりません。受講するには要件があり、障がいのある人などに対する相談支援業務・直接支援業務の経験が3~10年必要です。要件に含まれる相談支援事業所や業務は、都道府県ごとに要件が異なる場合もあります。

受講要件を満たし相談支援従事者初任者研修を受講する

先述のとおり、相談支援専門員になるには研修の受講要件を満たす必要があります。受講要件は都道府県により詳細が異なる場合もあるので、詳しくは居住地または勤務地の都道府県に確認しましょう。この記事では、兵庫県「相談支援従事者研修『実務経験要件』について」より、受講要件となる実務経験の要件を紹介します。

  • 障がい児相談支援事業、身体(知的)障がい者相談支援事業、精神障がい者地域生活支援センターにて相談支援業務に3年以上従事している者

  • 以下の施設(※1)にて相談支援業務に5年以上従事する者
     ・障がい児相談支援事業、身体(知的)障がい者相談支援事業
     ・児童相談所
     ・身体(知的)障がい者更生相談所
     ・精神障がい者地域生活支援センター
     ・福祉事務所
     ・障がい児入所施設、障がい者支援施設
     ・老人福祉施設
     ・精神保健福祉センター
     ・救護施設、更正施設
     ・介護老人保健施設
     ・その他これに準じる施設

  • 以下の国家資格等(※2)の業務に5年以上従事しており、相談支援業務や直接支援業務に3年以上従事する者
     ・医師、歯科医師
     ・薬剤師
     ・保健師
     ・助産師
     ・看護師、準看護師
     ・理学療法士
     ・作業療法士
     ・社会福祉士
     ・介護福祉士
     ・視能訓練士
     ・義肢装具士
     ・歯科衛生士
     ・言語聴覚士
     ・あん摩マッサージ指圧師
     ・はり師、きゅう師
     ・柔道整復師
     ・栄養士、管理栄養士
     ・精神保健福祉士

  • 以下の要件に当てはまる者のうち、病院もしくは診療所における相談支援業務に5年以上従事する者
     ・社会福祉主事任用資格を有する者
     ・介護職員初任者研修(旧訪問介護員2級)以上に相当する研修を修了した者
     ・(※1)の施設に従事した期間が1年以上である者
     ・国家資格等(※2)を有する者

  • 障がい者職業センター、障がい者就業・生活支援センターにて相談支援業務に5年以上従事する者

  • 特別支援学校などで就学相談・教育相談・進路相談の業務に5年以上従事する者

  • 以下の施設(※3)にて介護業務に10年以上従事する者
     ・障がい者支援施設、障がい児入所施設
     ・老人福祉施設
     ・介護老人保健施設
     ・医療法に規定する療養病床
     ・障がい福祉サービス事業
     ・障がい児通所支援事業
     ・老人居宅介護等事業
     ・病院、診療所
     ・薬局
     ・訪問看護事業所
     ・その他これに準じる施設

  • 以下の要件に当てはまる者のうち、(※3)の施設にて介護業務に5年以上従事する者
     ・社会福祉主事任用資格を有する者
     ・介護職員初任者研修(旧訪問介護員2級)を修了した者
     ・保育士
     ・児童指導員任用資格者
     ・精神障がい者社会復帰施設指導員任用資格者

受講要件を満たしたあとは、全42.5時間の相談支援従事者初任者研修を修了すれば、相談支援専門員の資格を得ることができます。

資格取得後は定期的に更新研修を受講する

相談支援専門員の資格は、更新制になっています。5年に1度、全24時間の相談支援従事者現任研修の受講が必要です。受講を失念した場合は資格失効となるため、忘れずに受講するようにしましょう。

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相談支援専門員の給料

厚生労働省「令和3年度障がい福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」によると、2021年9月における相談支援専門員の平均給与額は、常勤が35万8,010円、非常勤が15万8,330円でした。

なお、同調査にて、障がい福祉サービス等従事者全体の平均給与額は、常勤で36万200円、非常勤で15万410円となっています。このことから相談支援専門員の給与は、障がい福祉サービス従事者の中では平均的な額と言えるでしょう。

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相談支援事業所では相談を通して障がい者支援を行う

  • 相談支援事業所では障がい者や障がい児、その家族に対して相談支援を行っている
  • 相談支援事業所では障がい児福祉サービスの利用開始・継続支援を行っている
  • 相談支援事業所で働く専門職として相談支援専門員が挙げられる
  • 相談支援専門員になるには実務経験と相談支援従事者初任者研修の修了が必要

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