職種・資格情報
精神保健福祉士はどんな仕事?業務内容や資格について解説!
2 years ago

「精神保健福祉士はどんな仕事をしているの?」
「精神保健福祉士の資格はどうすれば取れるの?」
このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。この記事では、精神保健福祉士の仕事内容や勤務先、資格取得までの流れについて詳しく説明しています。精神保健福祉士に向いている人についてや、気になる給料についても触れていますのでぜひ参考にしてください。
精神保健福祉士とはどんな仕事?
精神保健福祉士は、精神疾患を持つ方や悩みを抱える方に対し、日常生活を送るための援助や、社会復帰へのサポートを行う職業です。精神保健福祉士はPSW(Psychiatric Social Worker)と呼ばれることもあります。
精神保健福祉士は、相談者の障がいや性格、周囲を取り巻く環境を踏まえ、課題を明確にするアセスメントを行います。その上で、課題を解決するための情報提供や訓練を行ったり、支援制度や施設の利用手続きを援助したりします。勤務先によって仕事内容は異なりますが、あらゆる医療資源・福祉資源を用いて相談者をサポートするのが特長です。
医療分野の支援を行う
精神保健福祉士は、医療機関にかかっていない相談者へ適切な受診・入院を促したり、退院後に日常生活が送れるよう援助したりしています。相談者の中には、通院や入院を拒否してさらに病状が悪化するケースもあるため、適切なアプローチが必要です。医師や看護師などと連携し、相談者の不安解消などを行っています。
住居・家庭に関する支援を行う
入院している相談者が退院した際の住居確保や、住宅型の福祉サービスを受ける環境を整えるのも、精神保健福祉士の仕事です。相談者が同居家族から暴力を受けているなど家庭内の問題がある場合も、精神保健福祉士が行政機関の介入を依頼する形で支援を行っています。住居や家庭に関する支援では、相談者の家庭状況を理解した上で、相談者の家族への働きかけを行うことも必要です。
就労・就学支援を行う
精神保健福祉士は、職に就いていない相談者が働いて自立した生活を送れるよう、就労支援サービスの利用促進も行っています。相談者が学校に通う年齢の場合は学校関係者とも連携して、相談者が適切な環境で学校生活が送れるよう調整をします。
精神保健福祉士の勤務先は?
精神保健福祉士が活躍できる勤務先には、さまざまな種類があります。勤務先により仕事内容が変わるのが特徴です。
障がい者・高齢者福祉施設
障がい者福祉施設で働く精神保健福祉士は、医療費・生活費に関する助言や、相談者が適切な福祉サービスを受けるための調整を行います。職場の具体例は、相談支援事務所や基幹相談支援センター、障がい者支援施設、グループホームなどです。そのほか、アルコール・薬物・ギャンブル依存症の人を対象とした、回復支援施設で働く精神保健福祉士もいます。
高齢者福祉施設として挙げられるのは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などです。高齢者福祉施設では、認知症や精神疾患のある高齢者を対象に、相談業務や調整を行っています。
医療機関
精神保健福祉士は、精神科や心療内科のある病院・診療所でも働けます。精神疾患を持つ患者の入院から退院までを医療関係者と連携しながら援助しています。
社会福祉の機関
保健所や福祉事務所、精神保健福祉センターで、精神保健福祉相談員として働く精神保健福祉士もいます。ほかには、社会福祉協議会やハローワークも精神保健福祉士が活躍できる機関です。
社会福祉の機関では相談業務や利用できる支援の紹介、就労支援、住居手配などを主に行っています。市民向けのメンタルヘルス啓蒙活動も行っており、公的機関として広く一般市民に対し仕事を行うこともあるのが特徴です。
教育機関
教育機関で働く精神保健福祉士もおり、「スクールソーシャルワーカー」とも呼ばれます。いじめや不登校など学校で起こる問題に対して、子どもや家族、教員の相談に応じ、問題解決に向けて援助を行います。
司法関係の機関
司法に関する機関で働く精神保健福祉士もおり、保護観察所で社会復帰調整官として働く場合や、矯正施設に勤務するのがその例です。精神疾患により犯罪を犯した人へ、社会復帰に向けた訓練や矯正を行います。
また、被告の精神状態を図る目的で、精神保健参与員として裁判に参加する精神保健福祉士もいます。
精神保健福祉士になるには資格が必要
精神保健福祉士を名乗って働くには、国家資格の取得が必要です。精神保健福祉士国家試験に合格後、公益社団法人社会福祉振興・試験センターに登録することで、精神保健福祉士として働けます。
精神保健福祉士試験の受験資格
精神保健福祉士の受験資格を得るためのルートは、大きく分けて3種類です。ルートに応じて実務経験や養成施設の修了が必要となります。
保健・福祉系大学卒業者の場合
保健福祉系大学・短大からのルートでは、在学中に厚生労働大臣が指定した指定科目を履修しなければなりません。短大であれば、卒業後に実務経験も必要です。精神保健福祉士国家試験の受験までには最短で4年かかります。詳細な条件は以下のとおりです。
- 保健福祉系大学・専修学校4年課程にて指定科目を履修する
- 保健福祉系短大3年課程にて指定科目を履修後、相談援助実務を1年以上経験する
- 保健福祉系短大2年課程にて指定科目を履修後、相談援助実務を2年以上経験する
福祉系大学・短大からのルートは、在学中に厚生労働大臣が指定した基礎科目を履修後、短期育成施設を修了することが条件です。短大であれば、卒業してから短期育成施設に入学するまでの間に実務経験も必要となり、全行程には最短で4年半かかります。詳細な条件は以下のとおりです。
- 福祉系大学・専修学校4年課程にて基礎科目を履修後、短期育成施設で専門課程を6か月以上履修する
- 福祉系短大3年課程にて基礎科目を履修後、相談援助実務を1年以上経験し、短期育成施設で専門課程を6か月以上履修する
- 福祉系短大2年課程にて基礎科目を履修後、相談援助実務を2年以上経験し、短期育成施設で専門課程を6か月以上履修する
なお、短期育成施設は通信制を設けている学校がほとんどのため、働きながら学習を続けることも可能です。履修期間は学校により異なるため注意しましょう。
社会福祉士資格保有者の場合
既に社会福祉士の資格を持つ方は、短期育成施設で6か月以上専門課程を履修すれば受験資格が得られます。前述のとおり、短期育成施設は通信制の学校が多いため、社会福祉士として働きながら精神保健福祉士の資格取得を目指せるでしょう。
社会福祉士資格保有者の場合、ほかのルートに比べて受験資格を得るまでの期間が短いことや、受験時に社会福祉士との共通科目が免除されるなどの特徴があります。そのためか、公益財団法人社会福祉振興・試験センター「令和2年度精神保険福祉士就労状況調査」を見ると、社会福祉士を持っている精神保健福祉士は、精神保健福祉士全体の60.9%となっており、両方の資格取得を目指す方が多いことがわかります。
一般大学卒業者などの場合
一般大学・短大からのルートは、一般養成施設で専門課程を1年以上履修する必要があります。高卒や専修学校卒などの方も同様です。加えて一般大学卒以外の方は、一般養成施設入学前に実務経験が必要となります。詳しい条件は以下のとおりです。
- 一般大学4年課程を卒業後、一般養成施設で専門課程を1年以上履修する
- 一般短大3年課程を卒業後、相談援助実務を1年以上経験し、一般養成施設で専門課程を1年以上履修する
- 一般短大2年課程を卒業後、相談援助実務を2年以上経験し、一般養成施設で専門課程を1年以上履修する
- 相談援助実務を4年以上経験し、一般養成施設で専門課程を1年以上履修する
一般養成施設は学校によって昼間制・夜間制・通信制が設けられており、履修期間も異なります。通学を続けられるよう、自分にあった学校を選ぶようにしましょう。
精神保健福祉士試験の試験概要
精神保健福祉士国家試験は、申込期間が9月から10月初旬で、2月初旬に試験日、3月中旬頃に合否発表となるのが通年の流れです。
筆記試験は2日間あり、1日目は精神保健福祉士の独自科目からの出題で、試験時間は2時間20分、2日目は社会福祉士との共通科目からの出題で、試験時間は2時間15分です。視覚障がいのある受験者には試験時間の延長措置が設けられており、弱視等受験者は1.3倍、点字等受験者は1.5倍の試験時間が各日で与えられます。
例年、全国7か所(北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県)で試験が行われており、受験料は2023年2月実施分で24,140円でした。社会福祉士の資格を持つ方は共通科目の試験が免除されるため、受験料は18,820円となっています。
筆記試験の出題範囲である17科目のうち、1日目の出題範囲である精神保健福祉士独自の6科目は以下のとおりです。
- 精神疾患とその治療
- 精神保健の課題と支援
- 精神保健福祉相談援助の基盤
- 精神保健福祉の理論と相談援助の展開
- 精神保健福祉に関する制度とサービス
- 精神障害者の生活支援システム
2日目の出題範囲である社会福祉士との共通科目は、以下の11科目です。
- 人体の構造と機能及び疾病
- 心理学理論と心理的支援
- 社会理論と社会システム
- 現代社会と福祉
- 地域福祉の理論と方法
- 福祉行財政と福祉計画
- 社会保障
- 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
- 低所得者に対する支援と生活保護制度
- 保健医療サービス
- 権利擁護と成年後見制度
社会福祉士の資格を持つ方は2日目の試験が免除となるため、1日目のみで試験終了となります。
精神保健福祉士試験の合格率
厚生労働省が発表している、精神保健福祉士国家試験の2021年から2023年実施分における合格率は以下のとおりです。
第23回(2021年実施) | 6,165人 | 3,955人 | 64.2% |
第24回(2022年実施) | 6,502人 | 4,267人 | 65.6% |
第25回(2023年実施) | 7,024人 | 4,996人 | 71.1% |
出典:厚生労働省「第25回精神保健福祉士国家試験合格発表を公表します」より引用した数値を表に加工して掲載
合格率は6割から7割で、年々増加傾向のようです。また、厚生労働省「第25回精神保健福祉士国家試験合格発表を公表します」にて発表されている、2023年実施分における受験資格のルート別の合格率は以下のようになっています。
- 保健福祉系大学4年課程で指定科目を履修した者…63.3%
- 保健福祉系短大3年または2年課程を経て相談援助業務に従事した者…28.2%
- 福祉系大学・短大を経て短期養成施設を修了した者…89.4%
- 一般養成施設を修了した者…62.8%
大学や短期養成施設、一般養成施設で学習した方は6割以上の方が合格していますが、実務経験の条件を満たして受験資格を得た方は合格率が3割未満となっています。理由として学校での学習後に実務経験を挟むことで、知識を忘れてしまったり、再度勉強が必要になったりするからだと考えられます。受験までにしばらく学習環境から離れていた方は、計画的に試験対策を行うのがよさそうです。
精神保健福祉士に向いている人とは?
精神保健福祉士には、相談者の役に立ちたいという気持ちを持っている人が向いています。精神保健福祉士として働いていると、中には支援が必要な状態にもかかわらず、支援を拒否する相談者もいるでしょう。それでも相談者と向き合い、相談者の生活をより良いものにしたい、自分を頼ってほしいという思いを持って仕事ができるかが、仕事を進めるうえで大切です。
また、他職種と連携して仕事を進めるのが好きな人、コーディネート能力がある人も精神保健福祉士に向いているでしょう。精神保健福祉士は、相談者がどのような支援を必要としているのか把握し、適切なサポートを考えるコーディネートの能力が問われます。そして、必要に応じて病院や行政機関、福祉施設などの担当者と連携して、多職種で支援を行います。そのため、精神保健福祉士の仕事において、コーディネートや連携の能力は欠かせません。
精神保健福祉士の年収
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果」によると、2019年の精神保健福祉士の年収平均は404万円でした。なお、同調査での社会福祉士の年収平均は403万円、介護福祉士の年収平均は292万円です。
福祉関係の国家資格として、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士は3福祉士と呼ばれます。3福祉士の中で、社会福祉士と精神保健福祉士は同程度の年収で、介護福祉士より年収が高いことがわかります。
精神保健福祉士は精神障がい者を専門的な視点からサポートする
- 精神保健福祉士は、精神障がいがある方へ日常生活の援助や訓練、社会復帰の支援を行う
- 精神保健福祉士は医療機関や公的機関、司法関係の機関などで活躍している
- 精神保健福祉士の資格を得るには受験資格を得た後、国家試験の合格が必要
- 精神保健福祉士と社会福祉士の試験には共通科目があり、両方の資格を持つ人も多い
- 精神保健福祉士には、相談者の役に立ちたい人、他職種との連携が得意な人が向いている
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