転職ガイド
育休明けにすぐ退職できる?給付金や失業保険についても解説!
a year ago
「育休明けに復職せずに退職してもよいの?」
「育休明けに退職したら給付金は返金しなければいけない?」
そのように考える方もいるでしょう。この記事では育休明けに退職は可能なのか、その場合の給付金や失業保険はどうなるのかを解説しています。保育園の内定についてや再就職時に注意すべきことについても触れていますので、育休明けの退職について不安なことがある方はぜひ参考にしてください。
育休明けすぐに退職の意思を伝えても良い?
結論から述べますと、育休明けすぐに退職を申し出ることは、退職日の2週間前であれば法的には問題ありません。しかし、基本的には就業規則に則って退職意思を伝える必要があります。
まずは就業規則を確認し、何日前までに退職の意思を伝えなければならないのか確認しましょう。基本的には、退職日の1か月前までとなっている企業が多いようです。
育休期間中に転職を考えるようになったり、しばらくは仕事をせずに育児に時間を費やしたいと思ったりすることもあるでしょう。ほかにもさまざまな事情で、育休を取った方が復職の予定を変更するケースがあります。
同僚や上司への配慮を忘れずに
育休明けすぐの退職は、配慮に欠けると同僚や上司から反感を買ってしまうのが現状です。円満退職を目指す場合は、伝え方やタイミングに気を配ることが重要になります。
育休明けに1度も職場に行かずそのまま退職することも可能ですが、職場からの印象は良くないものになることが多いでしょう。突然、育休者が退職になると、企業は復職の前提で進めていた準備が無駄となってしまい、人材の確保や仕事の割り振りなど新たな仕事に追われることになります。
育休中に仕事を負担してくれた同僚や上司へ配慮し、急病などでやむを得ず退職する場合を除き、できれば直接あいさつして感謝を伝える機会をつくるのがおすすめです。
なお、育休中も有給休暇の付与は続いており、育休明けに退職する場合でも、有給休暇を使い切って退職することもできます。ただし、職場に迷惑をかけてしまわないよう、引き継ぎ業務を考慮したうえで有給休暇のスケジュールを組むことが大切です。また、有給休暇を使い切ろうとすると、その分就業期間が伸び、退職日が後ろ倒しになるケースがありますので、転職先が決まっていて退職日を指定したい方は注意が必要です。
育休明けに退職した場合の育児休業給付金について
厚生労働省の「育児休業給付の内容と支給申請手続」によると、育児休業給付金とは、雇用保険に入っている人を対象に、原則1歳未満の子どもを養育するために支給される給付金です。給付開始から180日目までは育休開始前給与の67%、181日以降は50%の金額が支給されます。
育児休業給付金は、復職を前提とした給付金のため、当初から退職する予定の方は給付対象外です。当初から退職予定にも関わらず給付金を受け取ると、不正受給とみなされると考えられます。不正受給に該当する場合、受給した金額の3倍を返納するよう命じられます。また、不正受給があった場合は事業所も連帯責任で処分対象となるため、職場にも迷惑をかけてしまいます。
なお、育休開始時には復職予定で給付金を受け取っており、育休中に考えが変わって退職することにした場合、以前受給した分の返納は必要ありません。この場合は退職を申し出たタイミングにより受給できる金額が変わってきます。
育休中に退職を申し出た場合
育休中に退職を申し出た場合、育児休業給付金は支給打ち切りとなります。退職日の月までは支給されますが、それ以降は受給できません。退職すると育休も終了となるため、社会保険料の免除が受けられなくなり、保険料の支払いも発生します。
育休明けに退職を申し出た場合
育休明けに退職を申し出た場合は、育休の全期間に係る給付金が受給可能です。復職し、有給休暇を消費してから退職した場合は、給付金満額に加えて有給休暇分の給与も支給されます。
ただし、この方法は前述のとおり、育休直後に突然、職場に退職を告げることになりますので、職場に迷惑をかけるリスクがあることも理解しておきましょう。
育休明けに退職しても失業保険はもらえる?
育休明けに転職する場合は、条件を満たせば失業保険がもらえます。ハローワークインターネットサービスの「基本手当について」によると、詳細な支給条件は以下のとおりです。
- ハローワークで求職の申し込みを行い、積極的に転職活動をしている
- 雇用保険の被保険者期間が過去2年間で通算12か月以上ある(特別な条件に当てはまる人は、被保険者期間が過去1年間で通算6か月以上に軽減される)
失業保険の受給期間は、原則、離職日の翌日より1年間です。ただし、受給期間中に妊娠・出産・育児・病気などの理由により引き続き30日以上働けなくなった場合は、その日数だけ受給期間を延長できます。受給期間は、最長3年まで延長可能です。
延長申請の受付は、引き続き30日以上働くことができなくなった日の翌日から延長後の受給最終日までです。ただし、申請が遅れると受給期間が短くなり、満額受け取れるはずの保険料が減る可能性があるため、申請期間になったら早めに申請するのがおすすめです。
育休明けの退職は保育園の内定取消に注意!
保育園は、基本的に就労している親の子どもを預かる目的で運営されており、就労中か就労が決まっている家庭の子どもが優先的に入園できます。そのため、育休中に保育園が決まっていたとしても、親が退職すると入園内定を取り消されることがあるのです。特に、退職してしばらくの間就職の予定がない場合、保育園は利用できないと考えられます。
退職後に就職活動を始める場合、すぐに入園が取り消されることは少なく、1~3か月の猶予期間を設けられることがあります。自治体により猶予期間や対応が異なるため、保育園に子どもを預けたい方は確認が必要でしょう。
育休明けの再就職で注意することは?
育休をとった職場に復職せず、新しい職場で再就職したいと考える方もいるでしょう。このような場合に注意すべきことをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
時短勤務・有給休暇がすぐに使えない
子どもが小さいうちは、子どもの急な体調不良で有給休暇を取りたい時や、時短勤務で働きたいときもあるでしょう。しかし、再就職直後では基本的にはこれらの有給休暇や時短勤務制度がすぐには使えません。厚生労働省の「育休・介護休業法のあらまし」によると、時短勤務制度の対象外となり得る従業員の例は以下のとおりです。
- 雇用された期間が1年未満の者
- 週の所定労働日数が2日以下の者
- 業務の性質上または勤務体系から、時短の適用が困難だと認められる業務に就く者(国際路線に就航する客室乗務員など)
再就職して1年未満の場合、基本的に時短勤務の適用外になります。
また、会社によっては入社日に有給休暇が付与されるところもありますが、原則として有給休暇は再就職日から6ヶ月経った日に付与されます。有給休暇が付与される前の休みは欠勤として扱われます。
子どもが小さいうちは時短勤務や有給休暇を上手く使って働きたいと考えている方は、今の職場での勤務継続を検討してもよいでしょう。
保育園が決まらないと採用されにくい
保育園が未定の状態で転職活動を続けていると、なかなか採用まで至らないことがあります。企業からすれば、「子どもを預ける場所が決まっていなければ、いつから働けるのかわからない」とみなされてしまうようです。
すでに現在の職場の勤務条件で保育園の内定を得ているのであれば、転職先が決まったうえで現職を退職し、空白期間が生じないよう退職日を調整するのが無難です。転職して勤務時間や日数が減った場合、入園の優先順位が下がるケースがあるため、その点には注意しましょう。また、退職してから転職先を探す場合は、認可外保育園を選択肢に入れるなど、ある程度入園目途をつけてから転職活動を始めるのがおすすめです。
育休明けすぐの退職は可能だが手続きや注意事項を確認しよう
- 育休明けすぐに退職したい場合は、基本的には就業規則を守って意思を伝える必要がある
- 育児休業給付金は原則として子どもが1歳になるまで受給でき、当初から退職予定の場合は対象外
- 育休明けに転職したい方は条件を満たせば失業保険をもらえる
- 育休明けに退職すると子どもの保育園の内定を取り消されることがある
- 育休明けの転職先では基本的に時短勤務や有給休暇がすぐに使えないので注意
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