職種・資格情報

放課後児童支援員とは?仕事内容や認定資格を解説します!

a year ago

「放課後児童支援員の仕事内容は?」
「放課後児童支援員は資格がないと働けないの?」
このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。この記事では、放課後児童支援員の仕事内容や認定資格を取る方法などについて解説しています。年収や、放課後児童支援員認定資格の上位資格についても説明していますので、ぜひご覧ください。

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放課後児童支援員とは?

放課後児童支援員とは、子どもたちの世話や成長の見守りを行う放課後児童クラブの学童指導員のうち、任用資格を持つ職員のことです。

放課後児童クラブは、仕事などで昼間保護者が家にいない小学生を対象に学童保育を行っています。放課後や土日、学校の長期休暇時の日中に子どもを預かり、遊びや学習の場を提供するのが主な活動です。

放課後児童支援員は、子ども・子育て支援新制度の誕生とともに2015年度にできた、比較的新しい資格です。2023年現在、放課後児童支援員は専任職員として放課後児童クラブへの配置が義務付けられています。そのため学童保育の業界にとって、放課後児童支援員は無くてはならない存在といえます。

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放課後児童支援員は資格が必要

資格がなくても放課後児童クラブに勤務することは可能ですが、放課後児童支援員として働くには資格が必要です。

2014年度まで、放課後児童クラブで働く職員は学童保育員と呼ばれ、特別な資格は不要とされていました。放課後児童支援員の資格ができた2015年以降は、資格のない職員を補助員と呼んでいます。補助員は放課後児童クラブにおいて一部の業務しか行えず、放課後児童支援員であればすべての業務を行えます。

放課後児童支援員認定資格があれば、放課後児童クラブにおける業務の幅が広がり、転職や就職にも有利になるでしょう。ここでは放課後児童支援員認定資格の詳細について解説します。

放課後児童支援員認定資格研修の詳しい受講要件

放課後児童支援員認定資格研修の受講にあたり要件は複数ありますが、主に実務経験の有無で大きく変わります。受講を考えている方は、自分がどの要件に当てはまるのか事前に確認しておきましょう。

実務経験不要の場合

厚生労働省の「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成二十六年厚生労働省令第六十三号)」によると、放課後児童支援員認定資格研修の受講において、実務経験不要で受講可能な条件は以下のとおりです。

  • 保育士資格、社会福祉士資格、幼稚園・小中高いずれかの教員免許を保持している方
  • 4年制大学か大学院で、社会福祉学・心理学・教育学・社会学・芸術学・体育学いずれかの専門課程を修了している方

出典:厚生労働省の「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成二十六年厚生労働省令第六十三号)」を一部加工して引用

上記のうち前者に当てはまる方は、研修申し込み時に資格証明書や免許の提出を求められます。後者に当てはまる方は、基本的に卒業証明書または修了証明書などの提出を求められるため、大学に発行依頼が必要か確認するのがおすすめです。

実務経験を問われる場合

前述以外の方は、放課後児童クラブにおける実務経験年数をもって受講可能となります。厚生労働省の「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成二十六年厚生労働省令第六十三号)」によると、条件は以下のとおりです。

  • 高卒以上かつ児童福祉事業(注1)での実務経験が2年以上ある方
  • 高卒以上かつ放課後児童健全育成事業に類似する事業での実務経験(注2)が2年以上あり、市区町村長が適当と認める方
  • 放課後児童クラブでの実務経験が5年以上かつ、市区町村長が適当と認める方

児童福祉事業(注1)…放課後児童クラブや保育所、放課後等デイサービス、児童厚生施設、児童養護施設、児童発達支援、幼保連携型こども園など
放課後児童健全育成事業に類似する事業での実務経験(注2)…厚生労働省の「「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準について」の留意事項について」によると、放課後子ども教室などで「遊びを通じて児童と継続的な関わりを持った経験」

出典:厚生労働省の「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成二十六年厚生労働省令第六十三号)」を一部加工して引用

なお、実務経験として認められる事業は、研修の主催者である各都道府県が判断しています。勤務した施設での実務経験が要件として認められるかは、申し込み時に必ず確認しましょう。

放課後児童支援員認定資格研修の研修概要

放課後児童支援員認定資格研修では、規定のカリキュラムに沿った講義を受けます。放課後児童支援員認定資格研修の受講費は原則として無料ですが、教材費は自己負担です。なお、保有資格により一部科目の受講が免除されます。

厚生労働省の「放課後児童支援員に係る都道府県認定研修ガイドライン(案)の概要」によると、研修内容の6分野は以下のとおりです。

  • 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の理解
  • 子どもを理解するための基礎知識
  • 放課後児童クラブにおける子どもの育成支援
  • 放課後児童クラブにおける保護者・学校・地域との連携・協力
  • 放課後児童クラブにおける安全・安心への対応
  • 放課後児童支援員に求められる役割・機能

上記の6分野はさらに16科目に分かれており、1科目あたり90分、合計24時間の講義となります。

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放課後児童支援員の仕事内容

放課後児童支援員の仕事は、子どもが安心して楽しく過ごせる環境づくりや、保護者への支援、地域・学校との連携の3つに分けられます。一つ一つの詳細な仕事内容についてみていきましょう。

子どもが安心して楽しく過ごせる環境づくり

放課後児童支援員の主な仕事は、子どもたちが放課後児童クラブで安全に楽しく過ごせるよう、環境を整えることです。具体的な内容として以下の例が挙げられます。

  • 子どもの出席確認、心身状態の把握
  • 自主的に宿題に取り組めるような環境づくり
  • 遊びや学びを通じて子どもが自主性や社会性、創造性を育む手助け
  • 基本的な生活習慣を習得できるような手助け(手洗いうがい、整理整頓など)
  • 行事や活動の企画(夏祭り、クリスマス会など)
  • おやつの適切な提供
  • 職員間にて支援内容の検討や情報共有
  • 清掃や衛生管理、安全点検などの環境整備
  • 緊急時の対応

遊びや学びを見守るだけでなく、子どもの成長を手助けする役目も含まれます。

保護者への子育て支援

放課後児童支援員は、保護者に対する支援も行っています。詳しくは以下のとおりです。

  • 保護者との日常的な連絡、情報交換や家庭生活の支援
  • 子どもの様子や育成支援の記録(連絡帳でのやり取り)

多くの放課後児童クラブでは、保護者と連絡帳でのやり取りが行われています。子どもの体調やお迎え時間の予定などの事務連絡以外に、子どもの自宅・施設での様子も共有するためです。子どもだけでなく保護者もフォローし、広く子育ての支援を行うことも放課後児童支援員の大切な役目となっています。

地域や学校との連携構築

放課後児童クラブは、地域や学校との連携も欠かせません。放課後児童支援員は、その連絡役も担っています。具体的には以下のとおりです。

  • 地域の関係機関・団体との連絡、調整
  • 放課後児童クラブ以外の子どもや地域住民との交流
  • 子どもの状況に関する学校との情報交換、連絡、調整

地域住民との交流の場を作ることは、放課後児童クラブの活動理解を図るだけでなく、子どもの社会性を育むことにもつながります。また、子どもの状況に対する理解や緊急時の対応のため、放課後児童クラブが日頃から学校と情報共有するのは大切なことです。放課後児童支援員はそれらの連絡・調整役を担っています。

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放課後児童支援員の一日の流れ

放課後児童クラブが平日の放課後に開所する場合、放課後児童支援員は11時頃に出勤します。多くの放課後児童クラブは18~19時頃まで開所しており、最後の子どもが退所した後に放課後児童支援員は退勤となります。平日の勤務スケジュールの例は以下のとおりです。

時間
スケジュール
詳細
11:00 出勤 事務作業や清掃などを行う
12:00 昼食 職員の昼食時間
13:00 ミーティング 職員全員でミーティングを行う
14:00 登所開始、出欠確認
宿題の時間
・学校が終わった子どもから順次登所
・職員は出欠と同時に連絡帳で退所時間を確認する
・多くの児童は登所直後に宿題に取り掛かり、終わった児童から自由に遊ぶ
15:30 おやつ ・適切な量のおやつを与える
・ひなあられやスイカなど季節感のあるおやつを与えることで食育も兼ねる
16:00 自由遊びの時間 ・読書や室内遊び、園庭で外遊びをする児童を見守ったり一緒に遊んだりする
・日によってはイベントを開催する
17:00 帰りの会、退所開始 お迎えの来た子どもから退所する
18:00 延長保育 ・引き続き子どもの見送りをしながら、残っている子どもの保育を続ける
・手の空いた職員は事務作業や清掃を行う
19:00 閉所 最後の子どもが退所したら閉所
19:15 退勤 残業は少ないが、保護者会やイベント前などは残業して準備を進めることもある

なお、学校が休みの土日や長期休暇中は朝から開所するため、勤務時間は放課後から開所する場合と異なります。放課後児童支援員は、早番と遅番で勤務を調整することが多いようです。朝から開所する場合の一日の流れの例もみてみましょう。

時間
スケジュール
詳細
8:00 早番出勤 事務作業や清掃などを行う
8:30 登所開始、出欠確認 ・登所してきた子どもを出迎える
・職員は出欠と同時に連絡帳で退所時間を確認する
9:00 遅番出勤
9:30 朝の会 登所した子どもが揃ったら朝の会を行う
9:45 学習の時間
ミーティング
子どもたちは宿題など学習の時間、その間職員のミーティングを行う
10:30 集団遊びの時間 子どもたちが退屈しないよう、工作やゲームなどの集団遊びを企画する
12:00 昼食、休憩 ・子どもたちは持参した弁当を食べる
・施設によっては外部サービスを利用して昼食の提供を行う場合もある
・職員も交代で昼食休憩をとる
13:30 自由遊びの時間
15:30 おやつ
16:00 自由遊びの時間
17:00 帰りの会、退所開始 お迎えの来た子どもから退所していく
18:00 延長保育
18:15 早番退勤
19:00 閉所 遅番の職員が閉所作業を行う
19:15 遅番退勤

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放課後児童支援員の年収

厚生労働省の「job tag(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)」によると、2023年8月時点の学童保育指導員の年収は381.9万円となっています。これは放課後児童支援員の資格取得者に限ったデータではなく、補助員も含めた学童保育指導員全体の金額です。なお、放課後児童支援員であれば資格手当がつくこともあり、その分年収が高くなる例もあります。

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放課後児童支援員からステップアップを目指せる資格

放課後児童支援員認定資格を取得した後、より専門的な内容を学びたい方や、より知識を身に付けたい方もいるのではないでしょうか。そのような方は、上位資格の取得を検討するのも良いかもしれません。ここでは日本放課後児童支援員協会が認定している、放課後児童支援員認定資格の上位資格を3つ紹介します。

放課後児童育成支援師

放課後児童育成支援師は、子どもの育成支援について実践的に学びたい方に向けた資格です。放課後児童支援員認定資格を持っている方または取得見込みの方が対象となります。
4科目24時間分の講義の受講が必要で、1コマ90分の講義を1日に4コマ(全4日間)受けます。毎日講義後には試験が行われ、すべてに合格すれば資格が取得できます。

放課後児童専門育成支援師

放課後児童専門育成支援師は、子どもたちの育成支援について専門的に学びたい方に向けた資格です。放課後児童支援員の資格取得者(見込みも含む)で、かつ「放課後児童指導員」の取得者または放課後児童育成支援師の資格を持つ方(見込みも含む)が受講できます。8つの専門分野から選択受講する形式で、各領域12時間のカリキュラムがあります。日程は2日間で、1日につき90分の講義が4コマ行われたあと、1日ごとに試験が行われます。

放課後児童高度育成支援師

放課後児童高度育成支援師は、子どもの育成支援について実践的に学びたい方向けの資格です。放課後児童育成支援師を持っている方(見込み含む)のほか、「放課後児童指導員」の資格取得者で放課後児童支援員の資格がある方(見込み含む)が対象となります。講義では、放課後児童支援員としてのより高度な実践的知識と技能を学べます。講義受講後は実践研究報告書を作成し、審査合格後に実践研究を発表して資格付与となる流れです。

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放課後児童支援員は学校以外で子どもの成長の手助けができる

  • 放課後児童支援員は放課後児童クラブで子どもの遊びや学びに寄り添う仕事をしている
  • 放課後児童支援員になるには放課後児童支援員認定資格研修を受講する
  • 放課後児童支援員は子どもだけでなく保護者や学校とも連携を深めて活動している
  • 放課後児童支援員からステップアップを目指せる資格もある

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