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転職面接で成功体験を聞かれたらどう答える?
a year ago
転職面接で「成功体験」を聞かれることがあり、「どう答えるべき?」「ない場合はどうしたら良い?」と不安に思っている方もいるでしょう。
この記事では、転職面接で成功体験を聞かれた際の効果的な伝え方をご紹介します。成功体験のエピソードを選ぶ際のポイントや伝え方の注意点などもご紹介しますので、転職活動の参考にしてください。
転職面接で成功体験を聞かれたらどう答える?
転職面接で「成功体験」を聞かれたら、自分がこれまでに経験してきたことの中で、成功したことを伝えます。ただし、面接官から成功体験を聞かれた際に、過去の経験を話すだけでは高評価は得られません。面接官は、成功体験のエピソードを通じて、応募者の人となりや説明するスキルを見ています。
面接で成功体験を話すときには、「成功体験に至ったプロセス」「それを成功と考える理由」「成功体験から学んだこと」など、自分のアピールポイントを交えて説明しなければなりません。
「成功体験なんてない」という方もいるかもしれませんが、成功体験とは、あくまでも自分自身が「成功した」と考えることなので、客観的に見て「特別な体験」である必要はありません。些細なことでも、目標に向かって努力をし、その目標を達成したのであれば、「成功体験」に該当します。
面接で成功体験を上手く伝えるには、面接官の意図を踏まえ、自身のエピソードをしっかり組み立てておくことが大切です。
転職面接で成功体験を聞かれる理由
転職活動の面接で、成功体験を上手く伝えるためには、「なぜ転職面接で成功体験を聞かれるのか」を理解しておくことが重要です。
転職面接で成功体験を聞かれる理由について、具体的にご紹介します。
応募者の価値観について知りたい
転職面接で成功体験を聞く理由の一つは、「応募者の価値観について知りたい」という点にあります。
何を「成功」と考えるかは、人それぞれです。物事にはさまざまな側面があるので、同じ体験をしても、それを「成功だ」とする人がいる一方で、「失敗した」と捉える人もいるでしょう。
面接官は、成功体験を聞くことによって、応募者が「何を成功とするのか」を知ることが可能です。「何を成功とするのか」は、「何に価値を見出しているか」「何を大切にするか」という応募者の「価値観」と直結します。面接官は、成功体験の質問で、価値観を見ようとしているのです。
面接官が応募者の価値観を把握したいと考えるのは、応募者が採用したい人物像とマッチしているかどうか確認したいからです。職場のスタッフと価値観を共有できるか、組織のカルチャーと合う人材か、成功体験を聞くことでチェックしています。
応募者の経験やスキルについて知りたい
面接で成功体験が問われるもう一つの理由が「応募者の経験やスキルについて知るため」です。
経験やスキルに関しては、応募書類に記載したり、面接で直接聞かれたりすることもありますが、面接官は、成功体験を通じてさらに詳しく知りたいと考えています。成功に至るプロセスの中で、どのような努力・工夫をし、どのような成果につなげたのか、面接官は応募者の実体験を聞くことで経験値やスキルのレベルを測ろうとしているわけです。
また、面接官が、応募者の経験やスキルを具体的に把握しようとするのは、応募者が採用後に、職場で活躍できる人材かどうかを確かめるためです。転職後も、主体的に仕事を進め、必要とされる力を発揮できるか見極めようとしています。
転職面接で評価される成功体験とは
成功体験について準備する際には、志望先に合ったエピソードを選ぶこともポイントになります。面接官の共感が得られるエピソードを選び、高評価につながる要素を盛り込むことが重要です。
転職面接で評価される成功体験のポイントを、具体的にまとめました。
再現性がある
最初のポイントは「再現性」です。転職面接では、「再現性のある成功体験」が評価される傾向にあります。「再現性」とは、同じことを再び実現できることです。
どんなに素晴らしい成功体験でも、応募した先の業務とは何の関わりもないことであれば、面接官の興味を引くのは難しいでしょう。一方で、応募者の成功体験が、採用後に再び実現できる可能性があるものだとすれば、当然ながら面接官は関心を持ち、評価につながります。
基本的に、採用する側は、組織の利益につながる人材を求めています。応募者に再現性の高い成功体験があれば、組織の利益につながると見て、採用に前向きになるでしょう。成功体験のエピソードを選ぶ際には、志望する仕事やポストで、再現可能性が高い内容を選ぶのがポイントです。
エピソードに具体性がある
さらに、意識すべきポイントは「具体性」です。転職面接では、具体性のある成功体験が評価されます。
成功体験に限らず、具体性のないエピソードは、聞き手に訴える力がないでしょう。「素晴らしい体験でした」「立派な成果を得ることができました」などと漠然とした内容を伝えても、面接官の胸には響きません。成功体験を語るときは、何がどう素晴らしいか、何がどう立派かを具体的に説明できなければ、説得力がなく、評価にもつながらないでしょう。
転職面接で成功体験を話すときには、目標や目的、成功に至るプロセス、成果を具体的に示すよう意識しなければなりません。具体性のある成功体験によって、採用後の活躍のイメージもつきやすく、即戦力として見てもらえる可能性も高くなります。
目標達成力や問題解決能力がある
続いて、成功体験で評価されるポイントとして挙げられるのが「目標達成力」や「問題解決能力」です。
転職面接では、「運良く成功できた」というエピソードだと、あまり評価の対象にはなりません。面接官は、成功に至る過程で、応募者がどのように考え、行動してきたかを重視します。「主体的に動いて目標達成を図り、問題を解決することによって成功した」という体験が、評価される傾向があります。
目標達成力や問題解決能力が重要視されるのは、どんな職種・ポストでも必要とされる能力だからです。自身の目標達成力や問題解決能力をアピールできるようなエピソードを話すことができると、プラスの評価につながるでしょう。
転職面接で成功体験を上手く伝えるコツ
同じエピソードでも、話のまとめ方や順序、話し方によって大きく印象は変わります。
転職面接で成功体験をうまく伝えるためのコツをご紹介します。
結論から話す
まずは、話す順番を意識してください。面接で話す内容をよく理解してもらうためには、まず「結論から話す」のがポイントとなります。
たとえば、「私の成功体験は、以前の職場で業務効率化を実現したことです」などと、成功体験がどのようなことであるか結論を示した上で話を始めるのが、成功体験を上手く伝えるコツです。
聞き手にとっては、これから話される内容が「業務効率化のことだ」と理解することで、話の内容が頭に入ってきやすくなります。逆に、結論が分からず、何がゴールなのかが見えないまま具体的な内容や詳細を聞いても、なかなか理解は深まりません。
最初に、何について話すのか明確に示すことで、面接官との共通認識を形成できます。共通認識を持つことによって話の流れがスムーズになり、成功体験をきちんと理解してもらえる可能性が高まるでしょう。
成功までのプロセスを伝える
結論を話した上で、次のポイントになるのが「プロセス」です。成功までのプロセスを分かりやすく整理して話を進めてください。
プロセスをまとめる際に意識しなければならないのが「5W1H」です。「いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、どうして(Why)、どのように(How)」の要素を盛り込んで話を組み立てると、聞き手にとって分かりやすいエピソードになります。
転職面接で、成功体験を印象づけるためには、実績そのものより、成功に至ったプロセスに重点を置いて話す方が効果的です。5W1Hを意識した上で、自身が目標達成のために努力したことなども盛り込みながら話していくことで、高評価を得られる可能性が高まります。
具体的な数字を用いる
成功体験を上手く伝えるためには、「具体的な数字」も重要です。
たとえば、成功体験の結論として「業務効率化の実現」を挙げた場合、具体的な数値が示されているのと示されていないのでは、説得力が違います。「大幅な業務効率化を実現しました」というエピソードを、「大幅な業務効率化で1ヶ月当たり残業10時間の短縮を実現しました」と具体的な数字で肉付けすると、印象が変わるでしょう。
また、「前の職場では、残業時間が月平均60時間以上になり、長時間勤務が問題になっていたため、月10時間以上の残業時間削減の目標を設定しました。業務効率化に取り組んだ結果、月10時間の残業時間削減の実現に成功しました」などと、取り組み前の数字、目標の数字などを盛り込めば、より強く成果が伝わります。
成功体験を伝える際には、数字を意識することが重要です。
自己PRや強みなどに一貫性を持たせる
転職面接では、「自己PR」や「自身の強み」などに関する質問も定番。この「自己PR」や「強み」を、成功体験と結びつけて話すことができると、非常に効果的です。
具体的には、自己PRで「〇〇の専門知識が豊富」とした場合に、「〇〇の専門知識」を生かして問題解決に取り組んだエピソードを成功体験に盛り込むイメージです。こうすることで、成功体験と自己PRに一貫性が生まれ、エピソードの説得力が増す効果が期待できます。
逆に、たとえば自己PRでは「堅実で細やかな性格」を長所として挙げたにもかかわらず、成功体験では「大胆で奇抜な計画が成功につながりました」などと話したとすれば、面接官が矛盾を感じてしまいかねません。
転職面接で成功体験を上手く伝えるためには、自己PRなどとの一貫性を意識してください。
話は盛りすぎないようにする
転職面接で成功体験を話す際に注意すべきポイントが、「話を盛りすぎないようにする」ことです。
この場合の「盛る」は、事実を大きく見せる、誇張するという意味。成功体験を伝えるときには、より強く成功をアピールしたくなり、事実を誇張し、盛ってしまいがちです。しかし、事実関係は正確に伝えるよう心がけなければなりません。
経験豊富な面接官であれば、嘘はもちろん、盛ったエピソードはすぐに見抜くでしょう。話を盛り過ぎると、「信頼できない」と判断される可能性も高くなります。成功体験は、事実を忠実に話すことが重要です。
古すぎるエピソードは避ける
成功体験のエピソード自体は事実でも、「古すぎる」内容は避けるべきです。
たとえば、10年ほど前に自身にとって最大の成功事例があったケースでは、それを成功体験として話したいと考えるかもしれません。しかし、事例の内容によってケースバイケースではありますが、10年も前の成功体験を挙げることには、リスクが伴います。成功体験の後の10年間、目立った実績がないと受け止められるかもしれません。「成長がない」と見られる可能性もあるでしょう。
可能な限り、古すぎるエピソードは避けた方が賢明です。
転職面接で使える成功体験の例文
成功体験の伝え方のポイントを踏まえ、転職面接で使える例文を3つご紹介します。
介護施設での成功体験の例文
私の成功体験は、前職の介護施設で業務改善を進め、職場全体の業務効率向上を実現したことです。
前職の施設では、介護職をはじめさまざまな職種が働いており、コミュニケーション不足が課題になっていました。情報が共有されていないためミスが発生したり、タスク漏れが起きたり、トラブルが多発していました。そこで私は、施設の管理者に、他職種連携のために開発されたツールの導入を提案し、ツールの管理者となってマネジメントを担当しました。
ツールを通じたコミュニケーションで、各職種のスタッフ間の連携が進むと、コミュニケーション不足が解消し、トラブルが減りました。その結果、時間にも余裕が生まれ、それぞれが自分のタスクに集中することができるようになりました。
スタッフ皆の協力があってこそ得られた結果ですが、この体験は自身にとっての成功体験となりました。
病院での成功体験の例文
私の成功体験は、前職の〇〇病院で、患者さまから感謝のお手紙を頂いたことです。
前職では救急病棟を担当していました。患者さまは、その救急病棟に搬送されてきた方で、長引く入院にストレスがたまった状態で、私が担当した日も、早く家に帰りたいと辛いお気持ちを訴えていらっしゃいました。
私は患者様の気持ちに寄り添い、会話をしたり、洗髪などのケアを勧めたり、少しでも気分転換ができるよう努めました。患者さまは喜んでケアを受けてくださり、その間の会話で共通の趣味があることが分かりました。患者さまは、趣味の話に明るい表情を見せ、楽しい時間を過ごしていただくことができました。
その後、患者さまがペンと新しい紙を希望されたのでお渡しすると、何か長文を書かれていました。長文は私への手紙で、ケアの感想のほか、私と話して楽しかったということ、私の今後の活躍に期待するという内容が書かれていました。
この経験から、患者様の気持ちに寄り添うことの大切さを改めて学びました。今後も患者さまファーストで、患者さまに喜んでいただけるようなケアをしていきたいと考えています。
会社での成功体験の例文
私の成功体験は、前職の会社で、後輩を教育する立場になり、チームワークを築くことができたことです。
前職では入社から7年でマネジメント職に就きました。後輩を教育する立場にもなったことから、積極的にアドバイスや悩み相談に応じ、後輩との信頼関係を築くことに注力しました。
私は入社当時から、1人で黙々と作業し、とにかく早く仕事を進めるのが大事だと考えて行動していましたが、マネジメントに携わるようになり、チームワークの大切さに気づきました。チーム内でのコミュニケーションを重視し、チームワークを築けたことで、後輩たちも主体性をもって動くようになり、結果的に作業効率が上がり、残業時間の短縮にもつながりました。
今後も、チームワークを大切にして、仕事に取り組んでいきたいと考えています。
成功体験がないときはどうしたら良い?
最後に、成功体験を話すことが難しいと感じている方に向け、成功体験が思いつかない場合の対処法を解説します。
「ありません」と答えるのはNG
まず、転職面接で成功体験を聞かれ、「ありません」と回答するのはやめましょう。
成功体験がないという回答は、ネガティブなイメージにつながり、面接の準備を十分にしていないという印象も与えます。採用されたいという意欲がないとも受け止められかねません。
そのため、転職面接で成功体験を聞かれ、「ありません」と回答するのは避けてください。
小さな目標でも良いので達成したことを考える
転職面接で話す成功体験は、必ずしも大きな成功である必要はありません。小さな目標でも良いので、達成したことがないか考えてみましょう。
たとえば、事務作業の効率化や職場環境の改善など、小さなことであっても、自分が課題と思ったことに対し、自分なりに達成できたことは、成功体験になり得ます。こうした小さな目標を達成したエピソードによって、応募者の努力する姿が伝わり、好印象につながる可能性もあるでしょう。
失敗から学んだことを伝える
転職面接で成功体験について聞かれた際に、「失敗から学んだこと」を伝えるのも一つの選択肢です。
誰にでも、失敗やミスはあります。大切なのは、失敗やミスをしたあとの行動です。失敗をそのままにせず、なぜ失敗したかを分析して学び、改善につなげることができれば、それ自体が一つの成功体験といえるでしょう。
失敗について分析し学ぶ姿勢は、転職面接で評価される可能性も高くなります。そのため、失敗から学んだことは積極的に伝えていくのがおすすめです。
仕事をする上で大事にしていることをアピールしてみる
自分なりの目標で達成したことや、失敗から学んだことを伝える際に、仕事をする上で大事にしていることをアピールしてみるのも一つの方法です。
たとえば、人間関係を大事にしている方であれば、「失敗から学んだことで、より人間関係を大事にしなければならないと感じました」と話せば、応募者の人となりを、より強く印象づけ、エピソードに一貫性を持たせることができます。
自分が仕事をする上で大事にしていることは何かまず考え、そこから成功体験となり得ることを探し出し、エピソードを組み立てるのも効果的です。
転職面接では伝え方のポイントを押さえて成功体験を伝えよう
- 転職面接の成功体験でチェックされるのは応募者の価値観や経験、スキル
- 転職面接では再現性や具体性、問題解決能力がある成功体験が評価される
- 転職面接の成功体験は、自己PRや志望動機と一貫性を持たせることもポイント
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