働き方・お悩み
アートメイク看護師になるには?向いている人や年収など解説
a year ago
「アートメイク看護師になるにはどうすればよいの?」
「アートメイク看護師にはどんな人が向いているの?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。アートメイク看護師とは、眉やリップの皮膚に色素を注入するアートメイクを行う看護師のことです。本記事では、アートメイク看護師になる方法や、どんな人がアートメイク看護師に向いているのかなどを詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
アートメイク看護師とは
アートメイクとは、眉やリップ、アイラインなどの表皮にインクを入れて着色していく施術です。汗やクレンジングでも落ちず、つねにメイクをしている状態を保てるため、女性に人気の美容施術となっています。
アートメイク看護師とは、これらのアートメイクの施術を行う看護師のことです。アートメイクは医療行為となるため、法律により看護師または医師しか施術してはいけないことになっています。
アートメイク看護師になるには
アートメイク看護師になるのに、専門の資格はありません。看護師資格を取得した後、アートメイクを行うクリニックに就職して、技術を磨いていくのが一般的なルートです。
看護師資格が必須
前述のとおり、アートメイクの施術は医療行為となるため、医師法により施術について制定されています。アートメイクの施術が許可されている人は以下のとおりです。
- 医療機関にいる医師
- 医師が常駐している医療機関で、医師の監督下・指導下の下で施術を行う看護師
よって、医師以外がアートメイクを施すには、正看護師資格または准看護師資格が必須です。資格のない人が施術を行うと法律違反となるため、クリニックの募集も看護師資格を持つ人に限定されています。
アートメイクを行っているクリニックに就職する
アートメイク看護師として働くには、アートメイクを行うクリニックに就職します。しかし、専門学校や大学で看護師の資格を取り、アートメイククリニックに新卒で就職するケースはあまりありません。新卒の採用がほぼないのは、看護師には基礎的な看護技術が身につけてから入職してほしいと考えるクリニックが多いからです。よって病院で経験や診療所で経験を積んだのちにクリニックに転職するか、アートメイクスクールを受講してから転職するのが通常のルートでしょう。
一般的な病院から転職する
将来的にアートメイク看護師を目指したいと考えている方は、看護系学校を卒業後、皮膚科や形成外科で1~3年ほど経験を積むと、スキルを活かせるでしょう。
また、アートメイクを行うクリニックのなかには、アートメイクの経験がない初心者の看護師向けに教育プログラムを用意していたり、専任講師を配置したりしているところもあります。教育体制が充実しているクリニックでは、一般的な病院からの転職でも、安心してアートメイク看護師としてのスタートを切れるでしょう。
一方、一般的な病院でのキャリアが長すぎると、アートメイク看護師として採用されにくいという側面もあります。アートメイクを行うクリニックでは、比較的知識や技術の吸収が早い人材が好まれる傾向にあり、若い看護師の方が採用されやすいようです。アートメイクが未経験の状態で、一般的な病院からアートメイククリニックへの転職を考えるならば、20代や30代前半の方が転職に有利といえるでしょう。
アートメイクスクールを受講後に就職する
アートメイクを行うクリニックに転職する前に、アートメイクの施術を学べるスクールで勉強する選択もできます。
レッスンの内容や回数・時間、金額などはスクールによってさまざまです。多くのスクールでは、1パーツの施術を学べるコースと、複数パーツの施術を一度に学べる総合コースが用意されています。受講費の相場は、1パーツのコースで10万円前後、総合コースで30万~50万円ほどです。これと別に教材費、ライセンス発行料なども発生しますので、総合コースの場合はトータルで100万円ほど必要になる可能性もあるでしょう。
受講期間は、2~3日間、終日教室に通って全課程が終了する場合や、週に1~3回の通学を3か月~半年続けて習得する場合などです。なかには、期間内に十数本の動画を見るというオンラインの形をとっているスクールもあります。
病院で看護師として働きながら、スクールに通うことも可能ですので、自分に合ったスクールを見つけましょう。
アートメイク看護師として働くメリット
アートメイク看護師は病院で働く看護師と異なる業務を行っており、メリットと感じる点も大きく異なるようです。この項では、アートメイク看護師として働くメリットについて紹介します。
自分の施術でお客さまに喜んでもらえる
病院で働く看護師は、基本的に医師の指示に従って看護や処置をします。脱毛や痩身を行う美容クリニックの看護師も同様に、美容外科医の指示に従って機械を当てるなどの施術を行っています。
アートメイク看護師の場合も、医師の指示のもとで施術を行いますが、アートメイクの色や技法は自身で決めるため、仕事の進め方が主体的です。自分でデザインを決めて、自らが施術したお客さまに喜んでもらえることは、アートメイク看護師にとって大きなやりがいでしょう。
また近年では、SNSで集客を行っているアートメイク看護師がほとんどです。お客さまからDMなどで直接感謝のメッセージが届いたときなどは、看護師として喜びを得られるでしょう。
1つの技術を極められる
病院で働く看護師は採血や診療補助、処置などさまざまな看護技術を習得しなければなりません。一方、アートメイク専門の看護師になれば、アートメイクだけを極められます。仕事がアートメイクに関することのみになるので、日々1つの技術を高めていける喜びを感じられるでしょう。
そのため、病院で働く看護師のようなマルチタスクが苦手な方には、アートメイク看護師の仕事の方が向いているといえるでしょう。
自分だけにしかできない仕事が多い
アートメイククリニックでは、指名制を取っていることが多いようです。指名料は1万~3万円ほどが相場で、スキルや経験が見込まれると金額が上がります。人気になると、高い指名料でも絶えず予約が来ることも珍しくありません。多くのお客さまは、複数のサイトやSNSから施術を頼みたいアートメイク看護師を探して、指名料を払って施術に来ます。自分宛てに来たオファーを受け、仕事を行えるのは、ほかの看護師にない強みです。
体力的な負担が少ない
病院で働く看護師は立ち仕事が多く、介助や夜勤ではより体力が必要です。美容看護師も、立ったまま持ち上げなければいけない痩身や脱毛のマシンは重く、腰痛に悩まされることが多いといいます。
アートメイク看護師は基本的に、カウンセリングや施術も座ったままで、夜勤もありません。そのためアートメイク看護師は妊娠中や年を重ねても続けやすく、体力的に負担が少ないというメリットがあります。
アートメイク看護師として働くデメリット
さまざまなメリットが得られるアートメイク看護師ですが、デメリットも存在します。どのようなデメリットがあるのかも確認しておきましょう。
常に最新情報や技術の取得が必要
美容業界はトレンドの入れ替わりが激しいうえに、新しい技術が次々と出てくるため、アートメイク看護師として働くには、勉強を続けていく必要があります。同じ施術しかできない状態では時代遅れになってしまい、お客さまを獲得できません。
また、職場が学びの支援をしてくれる場合などを除き、技術を習得するにはお金も掛かります。なかには勉強会で10万~30万円程費用が掛かるものもあるようです。自己投資を惜しまない人や、日々新しい美容技術を勉強するのも楽しいと思える人は、アートメイク看護師に向いています。
施術に対する責任が重い
病院で働く看護師は、何かトラブルが起きても看護師だけでなく、指示を出した医師の責任も問われることが多いです。
一方アートメイク看護師は、接客や技術に対して、施術者自身にクレームがつきます。特に技術に対して「イメージと違う」とクレームがついても、アートメイクはすぐに落とせません。アートメイクは除去するのに複数回施術する必要があります。お客さまは高額なお金を払って施術を受けているうえ、すぐにリカバリーが利かない施術のため、施術に対する責任は重いといえます。
ほかの美容施術・看護技術を忘れやすい
アートメイク看護師はアートメイク以外の手技を行う機会がほとんどありません。そのため、美容クリニックで行う脱毛や瘦身施術、一般的な病院で行う採血や点滴などの手技を忘れやすくなります。アートメイク看護師として働いたあと、将来的に美容クリニックや一般的な病院へ戻りたいと思っても、間が空きすぎていると戻りにくい可能性があります。
また、肌の施術を安全に行うためには、アートメイク以外の知識を持っておくことも大切です。看護の現場から離れても、意識的に情報収集を行う必要があるでしょう。
SNSマーケティングのスキルも磨く必要がある
TwitterやInstagramなどのSNSが広く使用されるようになり、美容業界ではSNSを駆使して集客する手法が一般的になってきました。アートメイクも例外ではありません。多くのアートメイク看護師は、クリニックや個人のアカウントで、施術事例や施術方法についての投稿を行っています。よって、アートメイク看護師は集客のために、SNSマーケティングのスキルも磨く必要があります。SNS上でフォロワーが増え、インフルエンサーとなれば集客力アップに繋がるでしょう。
特に独立を考えるならば、アートメイクと同じくらいSNSマーケティングにも力を入れる必要がありそうです。
アートメイク看護師の年収は?
アートメイク看護師の年収データが集計されていないため、正確な金額は判明していません。
実際に働く方からの声を参考にすると、クリニック勤務なら年収500万〜900万円程度、フリーランスなら自身の集客力や対応数によって大きく異なりますが、年収600万円以上が相場のようです。
クリニックに勤めるアートメイク看護師の給料には、固定給のほかに指名料や施術数によって増えるインセンティブがつきます。施術を多く行ったり、スキルを評価されて指名料が増額したりすると、給料が増えやすい仕組みなのです。
フリーランスのアートメイク看護師の場合は、特に個人のスキルが高い人が多く、施術金額を高く設定していても仕事があるので給料も上がっていきます。このような背景から病院に勤める看護師より、アートメイク看護師の方が年収が高いといえるでしょう。
なお、厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査の「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与その他特別給与額」を参考に計算すると、看護師の年収は約508万円でした。自身の技術次第では、看護師全体の平均年収以上の収入を得られるかもしれません。
アートメイク看護師に向いている人の特徴
ここまで、アートメイク看護師になる方法や、メリット・デメリットについて解説してきました。実際に働く上で、どのような人がアートメイク看護師に向いているのでしょうか。
デザインセンスがある
アートメイク看護師は、アートメイクのデザインも自身で行います。もちろんこれは、自分の好みやセンスだけでデザインしていくわけではありません。最近のトレンドや、お客さまが希望としているイメージ、お客さまの骨格などさまざまなことを考慮して、最適なデザインを提案します。また、お客さまが施術者を選ぶときも、施術事例や得意なデザインから施術者のセンスをみており、センスのある施術者は人気があります。
ホスピタリティがある
アートメイクの施術料金は5万~15万円ほどかかります。高額なサービスを取り扱うことから、高級感を売りにしているクリニックも少なくありません。高級感は内装や設備だけで演出できるものではなく、スタッフの接客態度も重要なポイントです。よってアートメイク看護師には、高い接客技術が求められます。お客さまに対し、ホスピタリティの高いサービスを提供できる人が、アートメイク看護師に向いているでしょう。
コミュニケーション能力が高い
アートメイク看護師には、特にコミュニケーション能力が必要です。施術前であれば、お客さまからなりたいイメージを聞き取ってデザインを提案したり、施術への不安を解消できるよう話を聞いたりします。施術中も、痛みや違和感がないかお客さまを常に気遣うことが大切です。すぐにやり直しが利かない施術であるからこそ、お客さまと密にコミュニケーションを取りながら進めていくことが重要でしょう。
手先が器用で集中力がある
アートメイク看護師はほかの看護師に比べて施術範囲が狭く、施術中は細かい作業の積み重ねになります。そのため、手先が器用で集中力のある人がアートメイク看護師に向いています。とはいえ、器用な人だけがアートメイク看護師になれるとは限りません。技術は、練習量や経験、努力でカバーできるものです。自分は器用ではないけれどアートメイク看護師になりたいと考えている方は、それだけで諦める必要はありません。
アートメイク看護師は何歳まで働ける?
美容業界はトレンドや流行感を大切にしており、ほかの業界に比べても年齢の若い方が多く活躍しているイメージがあります。アートメイク看護師も例外ではなく、年齢を重ねても活躍できるのか不安に感じる方もいるでしょう。
アートメイク看護師として働くうえで明確な年齢制限はありませんが、現役で施術をしている方は40代後半から50代までの方が多いようです。では、それ以降は仕事ができないのかというと、そうではありません。
現役を引退された60代以降の方の多くは、アートメイクの講師や、物品開発、スクール・クリニック経営に活躍の場を移しています。経験を重ねたアートメイク看護師にしかできない仕事も複数あるので、自身のスキル次第で生涯の仕事としてアートメイクに長く携わっていけるでしょう。
アートメイク看護師は医療技術で美容に携われる
- アートメイク看護師は、クリニックでアートメイクの施術を行う
- 看護師免許を持っていればアートメイク看護師になれる
- アートメイク看護師は主体的に美を作る手伝いができ、やりがいも大きい
- アートメイク看護師には、ホスピタリティやセンスも求められる
- アートメイク看護師は年を重ねても長く携われる職業
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